『WHYから始めよ!』
- 作者: サイモン・シネック,栗木さつき
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 単行本
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平成25年6月19日 読了 120分
まとめ:
行動を起こすときには、自分のWHY(大義、理想)を明確にし、それを軸にしてすべてを始めかければならない。
それができて初めてHOW(手法)を考えることができ、その結果、WHAT(成果)をあげることができるのだ。
リーダーは人々を「インスパイア」しなければならない。 p260
目次:
はじめに なぜ、WHYから始めるのか?
第1部 WHYから始まらない世界
第2部 WHYから始まる世界
第3部 リーダーには信奉者が必要
第4部 信じる人間をどう集結させるか
第5部 成功は最大の難関なり
第6部 WHYを発見する
キーワード:
人間の行動に影響を及ぼす方法は、ふたつしかない。操作(マニピュレイト)するか、鼓舞(インスパイア)するか、だ。 p21
人をインスパイアするリーダーはまったく同じ方法で行動し、コミュニケーションをとっている。その方法は、私たちがとっている方法とはまったくの逆といえる。意識していようがいまいが、かれらは、私が<ゴールデン・サークル>と命名した自然に起こるパターンに従っている。 p44
<ゴールデン・サークル>は、最初に「なぜ」と自問することですべてを始めようと肝に銘じていれば、以前よりずっと大きなことを達成できるという動かしがたい証拠を示している。 p45
われわれは、すばらしいコンピュータをつくっています。
美しいデザイン、シンプルな操作法、取り扱いも簡単。
一台いかがです? p48
現状に挑戦し、他者とは違う考え方をする。それが私たちの信条です。
製品を美しくデザインし、操作法をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、
私たちは現状に挑戦しています。
その結果、すばらしいコンピュータが誕生しました。
一台いかがです? p49
<ゴールデン・サークル>の原理は、単なるコミュニケーションのモデルではない。この原理は、人類の行動の進化に深く根ざしている。というのもWHYのパワーは私の持論ではなく、生物学であるからだ。それは人間の脳の断面図を見ればわかる。<ゴールデン・サークル>が描く円が、脳のおもな三つの部位に相当することがわかるだろう。
ホモサピエンスの脳のなかで、もっとも新しく出現した部位は、新皮質である。新皮質は、<ゴールデン・サークル>でいえばWHATの部位に相当する。新皮質は、合理的で分析的な思考や言語機能をつかさどる。
脳の中央のふたつの円の部分は、大脳辺縁系に相当する。大脳辺縁系は、信頼や忠誠心といった感情の機能をつかさどる。そしてまた行動や意思決定などの機能もつかさどるが、言語をつかさどる能力はない。
円の外側から内側に向かう順番でコミュニケーションをはかると、最初に自分がしているWHATを説明することになる。すると事実や特徴など、複雑で大量な情報を明いてに理解してもらうことはできるが、行動を起こすよう相手を駆り立てることはできない。いっぽう、内側から外側に向かう順でコミュニケーションをはかれば、相手の意思決定をつかさどる部位に、最初に訴えかけることができる。そのあとで、言語をつかさどる脳の部位に情報を伝えれば、感情による決定が合理的なものになる。 p67-68
「直感による決断」は、円の中心から生じる。そこから生じた決断は、とても正しく感じられる。 p70
リーダーになるには、みずから従ってくれる人が欠かせない。争点となっているたったひとつの論点などより、もっと大きなことについて信頼できる人物でないと、リーダーにはなれない。人をインスパイアしたければ、まず、志や理念といった自分のWHYを明確にしておこう。 p79
皮肉なことに、もっともとらえどころのない答えをもつ、非常に重要な質問―あなたがしていることを、なぜしているのですか?―は、じつにシンプルであり、効率よく答えを見つけることができる。自分の志や理念から大きくはずれないようにし、自分がものごとをおこなう手法をはっきりと説明するには、明確な指針をもち、規律を厳しく守ることが肝心だ。 p80
言うことすべて、することすべてに、あなたの信条が反映されていなければならない。WHYは、ただの信条である。ただ、それだけ。HOWは、その信条を理解するために起こす行動だ。そしてWHATは、そうした行動の結果である―あなたが言うこと、することのすべてがWHATなのだ。 p81
成功をおさめるために、もっと多くの人間が正しいと感じる決断をくだすためには、どうすればいいのだろう?
そのためには、WHYの力を理解しなければならない。WHYを言葉に置き換える能力は、決断をくだすまでの感情の流れをはっきりさせる。すると「それが正しいように思えたから」などという理由よりも、もっとしっかりした自信がもてるようになる。WHYがわかっていれば、「それが正しいことがわかっている」という、もっとも高いレベルの自信がもてるようになる。決断が正しいと感じられるだけではなく、それが正しいことがわかれば、論理的に整理し、やすやすと言葉に置き換えることができる。そうしてくだした決断は、完璧にバランスがとれている。論理的なWHATは、WHYという感情の証拠となる。直感による決断を駆り立てた感情をきちんと言葉で説明できれば、自分のWHYを明確に述べることができれば、あなたは周囲の人に決断にいたるまでの経緯をきちんと理解してもらえる。その決断に、事実やデータという後ろ盾があれば、鬼に金棒だ―これがバランスである。 p94
<ゴールデン・サークル>は単なるコミュニケーションのツールではない。それはまた、すばらしい組織がどう構成されているかを示唆している。これまでは<ゴールデン・サークル>を二次元のものとしてみてきたが、組織をどう構築するかをさぐるためには<ゴールデン・サークル>は三次元のものにしなければならない。 p160
ビジョンは、そもそもなぜ会社が存在するのかというWHY、つまり創業者の意図がはっきりする。そして、いまはまだ存在しない未来像が述べられる。いっぽうミッションは、会社がそうした未来像をどうつくりあげていくかというHOW、つまり目的地にいたるまでのルーツ、指針の説明である。このふたつが明確に述べられれば、WHYタイプとHOWタイプの両方が協力関係における自分の役割を確信できる。そして双方が力をあわせ、明確な目的を達成しようとする。しかし、そのためには技術だけではなく、信頼が必要となる。 p168
大切なのは、WHATやHOWではない。HOWとWHATが、WHYと一致しているかどうかが肝心なのだ。一致しているとき初めて、その策が本当の意味で最善策となる。 p193
もし、すべての組織がWHYから始めたらどうなるんだろう?決定はよりシンプルになるだろう。忠誠心は強くなるだろう。信頼が共通意識になるだろう。リーダーがWHYから始めることをたえず意識していれば、楽観主義が広がり、イノベーションが栄える。組織の規模にかかわらず、産業の種類にかかわらず、製品やサービスにかかわらず、私たちが責任をもってWHYで始め、同じことをするようほかの人をインスパイアできれば、私たちは力をあわせ、世界を変えることができる。 p252
アクションプラン:
Start with Why.