『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』
- 作者: 横田尚哉
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2010/08/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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平成25年9月25日 読了 36分
まとめ:
「誰のため」「何のため」と考えるところからはじめる
FASTダイアグラムとよばれるロジック・ツリーをつくる
ファンクションを達成するための手段を選ぶ
目次:
はじめに
1 タウン編
街のカフェをファンクショナルに分析する
ウォークマンが30年以上も売れている理由
生産効率を上げる通勤スタイルを考察する
2 オフィス編
「部長、ハンコください」の”意味”を考える
社内規程は「誰のため?」
マニュアル地獄の社員たち
会社のロゴマークは「何のため?」
「ホウレンソウ」で作業効率は上がったか?
3 プライベート編
活用しきれていない家電のファンクション
ファンクショナルではない「リビング」は要らない
資格取得マニアの気持ちを考えてみる
フェイスブックとツイッター
人はなぜスポーツクラブに通うのか?
4 パブリック編
不案内な案内図
学校教育と企業内人材開発
道路拡張工事のジレンマ
河川改修からビジネスのヒントをつかむ
おわりに
キーワード:
ファンクショナル・アプローチとは、「なんだ、そんなところで悩んでいたのか」「そうすると、こんなやり方でもいいかもしれない」といったことに気づくことができる思考法です。 p4
「これは誰のためなのだろうか」「これは何のためなのだろうか」と考えることから始めていきます。 p5
FAST(functional analysis system technique)ダイアグラム p26
FASTダイアグラムというのは、古くから製造業で使われてきた伝統的ロジック・ツリーです。これまで探し出したファンクションを、左側に目的、右側が手段となるように整理します。
FASTダイアグラムといわれるロジック・ツリーは、ファンクショナル・アプローチでは、とても大切なものです。なぜなら、これを観ることにより、それまでの固定観念や先入観といったものから離れられるからです。 p103
「マニュアルは、みんなの《行動を合わせる》ために、《判断ミスを減らし》、《行動ミスを減らし》、《情報ミスを減らす》モノである」 p103
実は、この「マニュアル」のファンクショナル・アプローチをしていて、私には気がついたことがあります。
それは、「マニュアルが判断を下し、行動を決め、情報を与える」ということです。
本来は社員が行うべきことを、マニュアルに肩代わりさせているのではないかということです。これでは、社員はマニュアル・オペレーターです。
その結果、どのような現象が生まれてくるかというと、社員は、自ら判断をせず、行動を決められず、情報を集められなくなってしまうということです。
これは、企業の戦略、ビジネスモデル、社員構成などによるものですが、何でもかんでも「マニュアル」をつくるのではなく、あえてマニュアル化しないことを考えてもいいのではないでしょうか。 p107
何度も繰り返しますが、人はカタチが欲しいのではありません。ファンクションが欲しいのです。 p151
多くの人は、改善できるのではないかと感じながらも、その手段を見つけ出せないまま、今のカタチにとらわれてしまっているのです。
「誰のため、何のため」と問いかけをしてみてください。ファンクショナルに捉えてみてください。
「本当にその手段しかないのだろうか」
「そもそも何を目指しているのだろうか」
「どのような結果が得られればいいのか」 p182
重要なことは、継続性という正当論を理由に惰性でモノゴトを進めてはいけないということです。そもそも達成するべきファンクションは何だったかを見失っていはいけないということです。
「それは、ファンクションを達成するために、今でも最適な方法か」
「新たな事業として始める場合でも、同じ方法が選択されるか」 p220
アクションプラン:
「誰のため」「何のため」と考えるところからはじめる