『ひらがな思考術』
平成25年11月2日 読了 43分
まとめ:
ひらがなだけでも表わしうるような簡単なことばを中心にして考えを進める。
自分のあたまとこころを使って、ひらがなで考え、論理を組み立てる。
ひらがなは、”共感力”と”論理力”を持つ。
目次:
はじめに
序章 やさしく感じる ふとく考える
第一章 ほどく まず、解きほぐしてみる
第二章 かんじる 五感のストレッチをしよう
第三章 つなげる 発想はひらがなでしている
第四章 あらわす 難しくいわないと表せないのか
第五章 くつろぐ ひらがなでゆったりと考える
あとがき
キーワード:
ひらがな思考術とは、幼児の絵本のようにひらがなだけを使いましょうということではありません。ひらがなだけでも表わしうるような簡単なことばを中心にして考えを進めようという提案です。
大切なことは、漢語や英語の専門用語を並べると、ひとまず、レポートや企画書ができたような気になりますが、それはあまり役に立たないということをいいたいのです。できあいの考え方をつなぎあわせてお、新しいものを生み出す力はなかなか出てきません。
自分のあたまとこころで考えたことを土台にして、手ざわりのある論理を組み立てていく。そうしてこそ身についたものとして、自分の主張がかたちになっていきます。その場合、おのずからひらがなで表されるような簡単なことばが主役になっていくのです。
難しい概念も、いったん自分のあたまとこころをくぐりぬけたものとして表されれば迫力があります。そして、自分というフィルターを通り抜けるとき、ひらがなで表されるようなことばが増えてくるはずです。 p12
ひらがなの持つもうひとつの力として、骨格のしっかりとした論理をつくる力があります。ひらがなは”共感力”だけでなく”論理力”を持つ。この点に注目したいと思います。 p118
自分のからだをくぐりぬけてきたことばは、たくましい。ひらがなで考え、組み立てた論理は、風が吹いても倒れない強さを持っているといえるでしょう。 p119
大切なことは、手ざわりのある基本的なことばを使いながら考えを進めるということです。
ひらがなで表されることばを中心にすえて考えていくと、難しいことばは出てこなくなります。もとから、日常の基本的なことを表すことばが多いからでしょう。足が地についた考え、手ざわりのある思考ができるのです。 p146
どの専門分野でも、考える根っこまで掘り下げていくと、共通点が見つかるはずです。「物質・エネルギー・情報・生き物・ひと・社会」のどこかに根ざしています。そうした根っこの部分を、ひらがなで表されるようなことばでとらえなおしてみましょう。各専門の底に横たわるものがすけて見えてきます。 p181
ひらがなは、問題を身の丈に合わせ、自力で取り組んでいくための道具です。いま起きていることを分析する。新しいものを発想する。自分のありようを確かめる。いずれも、ひらがな思考が得意な分野です。そう、井戸の底から、くみあげたような、ことばたち。ひらがなには、深さがあります。だからこそ、ひとのこころに届き、動かすのでしょう。さあ、まずはいま取り組んでいる問題をひらがなでときほぐしてみませんか。 p198
アクションプラン:
作業療法をひらがなで考えてみる