認知症勉強会:『認知症患者と家族に対して私たちができること』
院内勉強会
日時: 平成25年11月29日(金)
18時30分~20時
講師: 今津赤十字病院 認知症専門作業療法士 菅沼一平先生
テーマ:「認知症患者と家族に対して私たちができること」
内容:
・認知症高齢者数
65歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計15%、平成24年時点で約462万人
・BPSD
中核症状+個人因子+環境要因
→環境調整、病態の見極めが大切
・アルツハイマー病
アミロイド仮説 頭頂葉、側頭葉に沈着
扁桃体 記憶の重みづけ
記憶障害から始まる エピソード記憶 感情を伴う
情動記憶は残りやすい
→ケアで良い感情を残すように注意しておく
コミュニケーションや環境に注意
気づかない間にストレスを与えていることもある
→ストレッサーに配慮
・BPSDまでの過程
時間経過とともに攻撃的に行動が増加
→良い感情を残して先回りのケアを
・声かけ
安心できるキーワード
情報を与えすぎない
必要最低限で
1回1回反応を見ていく
・レビー小体病
アルツハイマーに次いで多い
認知症を伴うパーキンソン病→PDD
認知症状が先行→DLB
パーキンソニズムが先行→PDD
非運動症状→PD→PD-MCI→PDD
カプグラ症候群 身近な人物が他人に入れ替わる妄想
・失行
意識させすぎると分からなくなる
→さりげなく誘導
声かけの内容、方法、タイミング
情報量をどのようにコントロールするか
・家族支援
塗り絵の塗り方で重症度が分かる
家族がどのように反応するか
本人と家族がどのような会話をしているか
・入院理由
BPSDの悪化
蓄積された介護負担・介護力の限界
不適切なケア
自宅→グループホーム→施設
・在宅介護破綻要因
介護負担↑
介護満足感↓
介護外支援の有無
BPSD重症度
・「症状管理の自己効力感」
介護負担とうつと関連
・今津赤十字病院の心理教育プログラム
年4回
セッション1 講義 60分
「認知症の理解と対応」
「介護保険サービスについて」
「認知症のリハについて」
セッション2 家族同士のディスカッション 60分
セッション3 ロールプレイ 60分
目的:
心理面のケア
知識・技能の向上
→介護負担・自己効力感の向上
・心理教育
元は統合失調症の家族に対して
Anderson(1980,1986) 大島(1993)
心理療法的な配慮を加えた教育的アプローチの総称
心理教育の基本構造
①知識・情報の共有
②対処技能の増大
③心理・社会的サポート
いつ介入するかが大切 早期に
物忘れ外来でOTが関わる
ディスカッション 心理面のケア 家族同士で経験を話す
ロールプレイ 介護の実践力をつける 選択肢を得てやれるかもしれない気持ちをもつ
・心理教育 文献
M.Martin(2009) Zarit 介護負担感と介護肯定感
・心理教育だけでは全てを解決できないが、一緒に考えることができる
・個人とグループの使い分けが必要
・エビデンスレベル
心理教育 A
Livingston 2005