『あたらしい働き方』
平成25年12月29日 読了
まとめ:
様々な形態のあたらしい働き方を提供する会社が増えている。
しかし、あたらしい働き方を提供する会社で仕事を得るためには、極めてハイレベルな競争を勝ち抜かなければいけない。
自由からより大きな成果を得よう、能力を最大限発揮できる場にしよう、という人だけが生き残れる。
会社選びの基準、クライテリアを見直し、あたらしい働き方を手に入れるためのスキルを磨くことが大切。
目次:
はじめに
第1章 あたらしい働き方がどんどん出てくる今、なぜまだ昔の基準のままで会社を選ぶのか?
第2章 自分に合った働き方を選ぶために、考えておくべき要素とはどのようなものか?
第3章 あたらしい働き方を手に入れるために必要なこと
キーワード:
万人がハッピーになる会社を作ろうとしていた
日本企業、とりわけ伝統的な大企業は、もしかすると、「万人がハッピーになれると思える会社」を目指してきたのではないかと私は感じています。 p34
多様な価値観のある社会というのは、誰かがアンハッピーになるかもしれないことを恐れずに大胆な取り組みをすることによって、誰かがすごくハッピーになる社会ではないでしょうか。全員をハッピーにしようとすると、むしろ誰もハッピーになれない可能性も高くなると思うのです。 p35
「働きやすい会社」と「働きがいのある会社」は違う
注目しておきたいのが、「働きやすい会社」と「働きがいのある会社」は似て非なるものである、ということです。
優秀な人材が自らの成果を出しやすい会社かどうか、そのためのサポートを真剣にやっているかどうか。人が資産だと本気で思い、社員が成果を出して成長できる環境を作っているかどうか。よりいい発想を生み出してくれるための、仕事に打ち込める環境が用意されているか。働くことで自分が成長できるか‥。そういうところにフォーカスが当たっているのです。 p36
例えば、プラットフォームとして会社を活用するという発想
例えば、プラットフォームとして会社を活用する、という発想があります。いい意味で会社を利用する。会社や組織を、自分の成果を上げるための場にしてしまう。プラットフォームを、面白いことをする場として捉えてしまう。会社と自分との関係を、依存関係ではなく、共存関係にするのです。 p41
あたらしい企業選びの基準「クライテリアで考える」
何より重要だと思ったポイントは、働き方の要素=クライテリアがたくさんあるのだ、ということです。それをきちんと認識しておく必要があるのです。 p52
さまざまなクライテリアをきちんと分類し、それぞれを意識し、トータルに組み合わせたものを作ってみる。それこそが、自分にとっての理想の会社です。これが、会社を選ぶ際の基準になるのではないか、と。 p53
あたらしい会社選びの基準 6つのクライテリア
クライテリア1 仕事
楽しさ →楽しい・苦しい
自由度 →高い・低い
クリエイティビティ →あり・なし
労働形態 →頭脳労働・肉体労働/ホスピタリティ
仕事内容 →趣味的・仕事的
社会的インパクト →あり・なし
出張 →多い・少ない
専門職志向 →管理者・専門職
クライテリア2 時間・場所・休日
労働時間 →長い・短い
場所・時間の自由 →あり・なし
在宅ワーク →可能・不可能
休日 →多い・少ない
長いオフ →あり・なし
クライテリア3 給与・評価
給与 →高・普通
評価システム →上司評価・360度評価
会社ルール →多い・少ない
人事システム →かっちり・アバウト
クライテリア4 会社・経営者
規模 →大・中・小
IPO →ある・ない
成長ステージ →成長過程・成熟過程
社歴 →長・短
成長率 →高・低
利益率 →高・低
学歴重要性 →あり・なし
女性の割合 →多い・少ない
経営者 →オーナー・サラリーマン
オーナーの社歴 →学生時代起業・サラリーマン経験
経営者タイプ →学生ベンチャー・プロ経営者
クライテリア5 環境
場所 →都会・田舎
オフィスの雰囲気 →楽しそう・伝統ベース
オフィスの形態 →パーテーション・コラボレーション
コンシェルジュ・サービス →あり・なし
社員に求めるもの →能力・カルチャーフィット
クライテリア6 カルチャー
カルチャー →強い・あまりない
ダイバーシティ →強い・弱い
競争環境 →強い・低い
社員 →まじめ・サークル的
社員レベル →高・低
社内雰囲気 →楽しそう/遊び・プロ
ヒエラルキー →あり・なし
服装 →自由・スーツなどある程度フォーマル
このほかにも自分オリジナルでクライテリアを作っていく必要があると思います。覚えておいてほしいのは、選択肢のどちらが正しいということではなく、自分に合ったクライテリアを見つけることが重要なのだということです。 p57
求められているのは、「自由にレバレッジをかけられる人」
まず、ひとつ間違いなく言えることは、あたらしい働き方を提供する会社で仕事を得るためには、極めてハイレベルな競争を勝ち抜かなければいけないということです。 p244
採用した信頼できる優秀な人材に、自由に仕事を任せることで成果を上げ、成長しているのが、あたらしい働き方の会社です。能力の高い社員を集めれば勝てる、というのが、これらの会社の発想なのです。だから、それ以外の人は入れない。 p244
では、過去のエリーと的な優秀さではない、こうしたあたらしい働き方を得るために必要なスキルとは何なのか。
これを一言で言うなら、「自由にレバレッジをかけられる人」だと私は感じました。自由というものを、どう解釈するか。2つに分かれるはずです。
自由だから仕事をしなくてもいい、怠けてもいい、ラクができていい、労働時間も自由だから、さっさと帰って何もしなくてもいいや、と解釈してしまう人か。一方で、自由からより大きな成果を得よう、能力を最大限発揮できる場にしよう、という人か。
端的に言えば、後者、自由にレバレッジをかけられる人こそ、あたらしい働き方にふさわしい人。では、そのときに必要となる能力とはどういうものなのか。
21世紀型スキルの普及と教育改革のために作られた国際組織ATC21s(Assessment & Teaching of 21st Century Skills)。この組織は、米国やオーストラリアなど6カ国の政府と大学・産業界が協力して活動しているのですが、ここが中心となって、21世紀型のスキルを、
1.思考の方法―創造性、批判的思考、問題解決、意思決定と学習
2.仕事の方法―コミュニケーションと協働
3.仕事の道具―情報通信技術(ICT)と情報リテラシー
4.世界で暮らすためのツール―市民性、生活と職業、個人的および社会的責任
の4つのカテゴリーに分けて、考えています。
過去の延長ではなく、あたらしい働き方を目指す人々が意識していかなければならない、こういった動きが世界的に出てきています。 p246
あたらしい働き方を手に入れる17の必要なスキル
【仕事のスキル】
1 自ら考え行動できる
2 コラボレーションできる能力
3 時間効率がハイレベル
4 あたらしいハードワークができる
5 上下ではなく横のパートナーシップ
6 クラウドなどITを最大限活用する能力
7 売れる仕事のスキル
8 考えているだけでなく、行動する力
9 ボーダレスに仕事をする力(語学、異文化コミュニケーション、論理的思考)
【思考のスキル】
10 人間性が重要
11 思考の柔軟さ
12 不確実性を楽しめる
13 暗黙知、明文化されていないルールを読める能力
14 お金だけではなく、意義を感じて働く力
15 自分自身をよく理解する能力
16 常に進化し続けられる力
17 自分のスタイルを持っている
アクションプラン:
21世紀型スキルを学ぶ