『会話から始めるコーチング』
会話から始めるコーチング―最強のチームをつくるコミュニケーション力
- 作者: 伊藤守
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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平成26年1月17日 読了 17分
まとめ:
コーチングとは、〈相手が自発的に行動を起こすように働きかけるコミュニケーション・スキル〉のこと。
目次:
はじめに
1章 なぜ、言われたことしかしないのか?
2章 行動を変えるのは命令ではなく質問の仕方
3章 話を聞くと部下は自分から動くようになる
4章 部下の成長は上司の見守り方で決まる
5章 相手のタイプによってコミュニケーションを変える
6章 それでもうまくいかないときは
キーワード:
”安心”しているとき、人は進んで動く
人が自ら考え、動くエネルギーが出てくるとき、それは恐れの対極にあるもの、つまり”安心”を感じているときです。
安心していられるときは、心にゆとりが生まれます。不安や危険を回避するためにキョロキョロと落ちつかなかった視線が定まり、ゆとりによって視野がすーっと広がるのです。視野の広がりはものごとに対する関心を呼び起こします。 p22
必ずやる気を引き出せる”コーチング”
部下やチームメンバーが安心感をもち、前向きに動くようになる上司やチームリーダーの対応とは、どのようなものなのでしょうか。
それを学ぶのが、コーチングです。
コーチングとは、”人を目標に達成させるためのメソッド”です。
ここで言うコーチとは、ひと言で言えば「話を聞く人」のこと。
それもただ聞き流すのではなく、聞くことによって相手の中にある漠然とした希望や、現状を打開する方法などを引き出せる聞き方(アクティブ・リスニング)ができるテクニックを持った聞き方のことです。 p30
質問をするときの3つの約束
1.ポイントを絞ること
すべての部下とのすべての会話で、目的を持った質問と会話をしようとしても、時間的にも精神的にも不可能です。ストレスでかえって肝心なやりとりを欠いてしまう危険もあります。誰と交わすどのテーマの会話がもっとも重要か、あらかじめ選択し絞っておくことが必要です。
2.あらかじめ時間をとる
目的を持った質問をし実のある会話を交わすためには、あらかじめそのための時間をもうけることが大切です。前もって「○日の○時に話をする」と予定を入れることで、適切な質問や対応の準備ができるのです。その場の思いつきで始めることはおすすめできません。
3.相手を尊重する
部下と話をするとき一方的な指示命令型が多いタイプの人が、とくに忘れがちになるのがこれです。「相手を認め、相手の意見や視点を心から理解しよう、尊重しよう」という気持ちを、いつも忘れてはいけません。傲慢さは質問者にとって大敵です。 p60
目標=ゴールを設定し、やる気を引き出す
人は目標、つまりゴールを設定すると、行動を起こしやすくなります。部下にも設定させることは大きなメリットがあります。
「これは自分の仕事だ」としっかりと自覚できるし、また目標を考え、設定するプロセスで、仕事そのものへの理解が深まっていきます。
自分で目標を設定した仕事なら、「無理矢理やらされている」仕事ではなくなります。責任を感じるようになり、すすんで仕事に取り組むべき立場だと自覚できるのです。
目標を設定するときに重要なのは、達成度が見た目や数値でわかるような具体的なものにすることです。目標がはっきりすると、そのためになにをすればいいかもはっきりとしてくるので、達成のための行動も起こしやすくなります。
部下が目標をより具体的にイメージできるようになるまで、上司は質問を投げかけ話を聞き、掘り下げていくサポートをしましょう。 p88
”うまくいっているイメージ”の作り方
1.過去の経験の中から成功のイメージを呼び出す
「今までの経験のなかで、難しかったけど成功したことってどんなことがあった?」
2.現在、成功していることを引き合いに出して、その方法を活用する
「きょうの君の担当クライアントは、とても満足して帰ったけど、なにがよかったのかな?」
3.モデルとなるような人物に置き換えて考える
「鈴木チーフなら、このことをどういうやり方で乗り切ったと思う?」
p98
フィードバックでさりげなくナビ
部下が自分なりに考え、行動をしているとき、どんなフォローが必要でしょうか。
部下の行動を知り、それについて適切なフィードバックをすることが必要です。
コーチングにおけるフィードバックとは、「相手の今の行動がどのように見えるか」「目標まであとどれくらいか」「どこかで軌道からはずれていないか、はずれているとしたらどんなところか」を、部下に伝えることです。
といってもこれは、批判や叱責ではありません。今、そのことがどういう状態に見えるか、聞こえるか、の客観的な事実と、それは上司であるあなたにとってどう感じることなのか、の主観的な事実の両方をありのままに伝えることです。
ありのままの状態がわかると、部下は自分の行動を軌道修正したり、もっともいいやり方を考えようとします。
適切なフィードバックを行うためには、次の点に注意しましょう。
- 「私は〜」で始まるメッセージであること
- タイミングが、部下の行動のタイミングに合っていること
- 伝わっているかどうか確認しながら行うこと
- する人自身も、複数の人からそれについてフィードバックを受けること
p124
アクションプラン:
質問をするときの3つの約束を守る