アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

『マネジャーになってしまったら読む本』

 

マネジャーになってしまったら読む本―リーダーシップに自信が持てる7つの方法

マネジャーになってしまったら読む本―リーダーシップに自信が持てる7つの方法

 

 平成26年5月11日 読了

 

まとめ:

リーダーシップの土台は、自分で考え判断し行動する「自立」と「自律」。

職業観を持ち、リーダーシップの土台にする。

自分の登る山を決めることで、判断や行動の基準となる。

 

目次:

まえがき

PartⅠ マネジャーになんかなりたくなかった

第1章 リーダーシップ研修でよく聞く悩み

第2章 無理して頼られるマネジャーになろうとしない

PartⅡ 新任マネジャーが陥る7つの思い込み

第3章 思い込み1 自分にはリーダーシップがない

第4章 思い込み2 常に、部下には仕事で勝たなければならない

第5章 思い込み3 指導力が高くなければならない

第6章 思い込み4 人望を高めなければならない

第7章 思い込み5 リーダーシップのスキルやテクニックを身につけなければならない

第8章 思い込み6 自分を犠牲にしなければならない

第9章 思い込み7 自分の分身をつくらなければならない

PartⅢ 悩まないリーダーシップ

第10章 「思い込み」思考をやめて、自分に自信を持とう

エピローグ さらにリーダーとして成長していくための4つのステージ

あとがき

 

キーワード:

 リーダーシップは、誰かの期待に応えたり、他人に影響を及ぼしたりするためのものではありません。リーダーシップは、他人から指示されたり強要されたりするのではなく、自ら考え、判断し行動することで、自らの人生や仕事の主役になるためのものです。

p5

 リーダーシップの基本は他人への影響力ではなく、自分自身で考え判断し行動すること

 リーダーシップに共通に求められる本質は、自分自身で考え、判断し行動することを通じて、自分の力で立ち、自分の感情や意思を自分で律することです。そして、自立と自律の原動力は、よりよい未来を目指す意志です。自分の力で理想の未来を目指そうとする言動が、周りの人の共感や賛同を生み、そこにリーダーシップが生まれるのです。

p24

 

マネジャー経験は成長のチャンス

 マネジャーに求められる専門性を眺めてみると、高い視座、幅広い視野、人に対する洞察力を要することがわかります。マネジャーの経験を積むことで、リーダーシップとマネジメントの力が磨かれます。その結果、視座が高まり、視野が広がり、人に対する洞察力が高まることで、人としての成長が期待できるのです。

 仕事で求められる多くの専門知識や能力は、その仕事自体がなくなると、用をたさなくなります。マネジャーに求められるリーダーシップとマネジメントの専門性は、複数の人が集まって一緒に仕事をする「組織」があるかぎり不要になりません。言い換えれば、マネジャーの専門性は、仕事の専門技術・技能の中でも、どこででも通じる汎用性が高いものです。マネジャーの職は、きちんと求められる専門性さえ身につければ、安定感が抜群なのです。

p67

 

部下は指導するのではなく、「チャンス」と「目標」を与える

 マネジャーが部下の成長を促すには、成長につながる実務経験を積むチャンスを与えることが何より有意義です。指導力より、一人ひとりの部下に成長につながる仕事をどのタイミングで任せるかという、上司の人を見る「洞察力」の方が大事です。部下の意欲、能力、習熟度、リスクテイクへの耐性(リスクを取ることに対する慣れ具合)を見極めて、成長につながるような難しい仕事を思い切って任せることが、部下の成長のカギです。

p84

 

武器はいくら磨いても、使い道を知らなければ使えない

 仕事のスキルや知識は、それを使う仕事がはっきりしなければ有用ではありません。リーダーシップを発揮するためのスキルや知識も、リーダーシップを発揮する目的やゴールがなければ活かされません。

 新任マネジャーの人が、仕事上リーダーシップを発揮するための目的やゴールとは何でしょうか。

 それは、「リーダーとしてどんな仕事を成し遂げたいのか(仕事の意義)」、「どんなリーダーになりたいのか(理想のリーダー像)」、「リーダーとして何を大切にするのか(価値観)」といった職業観です。職業観が、マネジャーにとって判断や行動の拠り所になります。職業観がなければ、ビジネスパーソンのリーダーシップの土台になる「自立」と「自律」は培われません。いくらリーダーシップを発揮するためのスキルや知識という武器を磨いても、職業観がなければ、リーダーシップの軸が定まりません。

p118

 

隙があるくらいが、ちょうどいい

 リーダーシップの土台は、自分で考え判断し行動する「自立」と「自律」です。マネジャーひとりの思考力、判断力、行動力に依存するチームでは、いつまでもマネジャー以外のメンバーたちのリーダーシップが育まれません。リーダーの思考力、判断力、行動力の限界が、チーム全体のボトルネック(組織やプロセスの限界を決める急所)になります。強すぎるリーダーの存在は、それ自体がチームにとって最大のリスクになってしまうのです。

p177

 

登る山が「自立」と「自律」を育む

 登る山、すなわち「ライフキャリア」と決めると、なぜリーダーとしての覚悟が定まるのでしょうか。

 自分で登る山を決めると、誰かの指図を受けて誰かに使われる道具ではなくなり、自分の職業人生の主役になります。自分でキャリアのゴールやビジョンを決めれば、それに向かって進むすべての歩みが、自分の意志の結果になります。

 登る山を決めると、自分のキャリアを自分でコントロールしている実感を持つことができます。自分でコントロールしているという自己効力感は、リーダーシップの土台である自立と自律に欠かせないものです。

 自己効力感を持ち自立と自立を備えた人は、自分の身に起こることを自責で考えることができます。たとえ不本意は異動や厳しい仕事に直面しても、自分の役割を受け入れ、逃げずに乗り越えることができます。周りで起こるすべての出来事は、自分が登る山を決めたことが起点になっているので、誰を恨むこともありません。

 一方で、周りの出来事を他責でとらえると、被害者意識や現実逃避を生みます。他責の感情は、現状を自分で打開する意思を弱めます。他人を否定、批判、避難する『3つのH』のネガティブワードを口にするようになり、マイナス感情にからめとられてしまいます。

p184

 

アクションプラン:

職業観を持つ