『人間関係のレッスン』
平成26年7月27日 読了
まとめ:
自動思考を変え、自分の中にあるさまざまな感情に気づき、隠れていたサブパーソナリティを発見できるようになると、人間関係のあり方は大きく変わっていく。
目次:
はじめに
第1章 うまくいっていない自分
第2章 なぜうまくいかないのだろうか?
第3章 モラルハラスメントにあったら
第4章 自分の中の隠れた感情に気づこう
第5章 自分を少しずつ変えてみよう
第6章 自分を歪めずに見つめるということ
参考文献
おわりに
キーワード:
うまくいかない人間関係にみられる四つの特徴 p14
「いい人を演じてしまう」「決められない」「がんばりすぎる」「隠れる」
「いい人を演じてしまう」人の特徴 p31
【まわりからの印象】
・楽天的
・おだやか
・寛大で包容力がある
・協調性がある
・公平
・争いを好まない
・話しやすい
・たいていのことは引き受けてくれる
・誰にでもいい顔をする
・どちらの味方なのかわからない
【内面の感情】
自分が批判されるのを恐れている(ビクビク感)
【対人的な行動原理】
自分が批判されないために、他人を受け入れる
【人間関係がうまくいかないときのパターン】
批判されることを避け、他人の意見に自分をあわせようとする
↓
最初のうちは、人から信頼される
↓
人間関係において矛盾した態度をとってしまう
↓
他人からの信頼を失い、批判にさらされる
「決められない」人の特徴 p36
【まわりからの印象】
・謙虚で慎み深い
・嫌な顔をしない
・利他的である
・気配りがある
・柔軟性がある
・自分で決断しない
・何を考えているのかわからない
・常に人まかせ
【内面の感情】
自分の価値観に自信がない。自分の希望や意見や感情が、自分でもわからない(ドウシヨウ感)
【対人的な行動原理】
自分が批判されないために、判断を他人にゆだねる
【人間関係がうまくいかないときのパターン】
自分から意見を言わず、他人の決定を尊重する
↓
意見の対立もないので、他者と友好的な関係をつくることができる
↓
彼らが決断しないことに不満を覚える人が出てくる
↓
彼らの献身がまわりの人には押し付けに感じられ、結果として疎んじられることになる
「がんばりすぎる」人の特徴 p40
【まわりからの印象】
・元気
・積極的
・努力家
・几帳面
・責任感が強い
・休むことを知らない
・頑固
・自分だけができると思っている
・やりすぎ
【内面の感情】
完全にやりとげなければならないという感覚が常にある(ネバナラナイ感)
【対人的な行動原理】
周囲からの信頼を失わないために、自分の限界を考えずに努力する
【人間関係がうまくいかないときのパターン】
自分の仕事をがんばりすぎる
↓
他者からの「休んだらどうか」というアドバイスをに耳を貸さず、さらに働く
↓
自分の限界を超えて働いたので、ミスをするようになる。あるいは、体調を崩す
↓
「ほら、見たことか」と陰口をたたかれる
「隠れる」人の特徴 p44
【まわりからの印象】
・寡黙
・間違いがない
・忍耐力がある
・信頼できる
・自己アピールが少ない
・目立たない
・少し変わっている
【内面の感情】
自分の感覚、感情、主張は、受け入れられないという感覚が常にある(アキラメ感)
【対人的な行動原理】
自分が周囲から理解されないと思っているために、目立つ言動はしない
【人間関係がうまくいかないときのパターン】
自分の仕事は、人並み以上にきちんとこなす
↓
まわりの人との人間関係を構築しようという努力はするが、自己アピールは、ほとんどしない
↓
結局、目立たない
↓
まわりから「目立たない」「積極性がない」「社交的ではない」などと言われる
↓
ますます自己アピールがなくなる
↓
存在感がなくなり、孤立する
四つの傾向の共通点 p40
「すくなくともかつては、それぞれのやり方で、それなりに人間関係がうまくいっていた時期がある」
「すべて他人の視点から自分を判断している」
「自動思考」とは「自分の考え方のくせ」 p134
人間関係のパターンを変えていくためには、
1 自動思考を変えていくこと
2 できるだけ多くの感情に気づくこと
の二つの方向からのアプローチが必要になります。
「どうしよう」「なんとかしなきゃ」が頭の中を駆けめぐる p136
自動思考は、非常に強力で、繰り返し浮かんできます。自動的に出てくる思考パターンで、浮かんできたポジティブな感情を否定するような方向に働きます。時には頭の中が自動思考でいっぱいになり、身動きがとれなくなってしまうことがあります。自動思考で身動きがとれなくなる極端なケースが、たとえば自傷行為です。
自動思考のさまざまなタイプ p139
1 先行きを悲観
2 自己否定
3 自責の念
4 あきらめ
5 どうせダメだし思考
6 完璧主義
7 嫌われているという思い込み
8 否定的結論の先取り
9 恐怖の先取り
10 思考停止
11 被害者的思考
12 後悔
自動思考を変える五段階の手順 p143
1 自分はどんな自動思考(考え方のくせ)を持っているか理解する
2 「その自動思考はいまの状況にもあてはまるか?」を考える
3 感情や身体の反応(サイン)に気づく
4 「これは考え方のくせだ」と心の中で唱える
5 ゆっくりとした深い呼吸をする
自分の中に矛盾のない状態が「自己一致」 p203
自分の感覚・感情・考え・行動に何も矛盾のない状態を「自己一致」と言います。空気に流されず、自分の意思を尊重して考え行動できる人を「自己一致している」と言います。自己一致した人間関係を持てたとき、その人は、自分の行きすぎた人間関係のパターンから抜け出しているのです。
アクションプラン:
感情や身体の反応(サイン)に気づく