認知行動療法講義メモ「第8回講義」
平成26年10月27日
早稲田大学の熊野宏昭先生の講義のメモです。
「認知行動療法講義」の全12回分をUstreamで聴講することができます。
「第8回講義 メタ認知療法」
11月1日以降に削除されるようです。
講義資料もウェブサイトにアップされています。
http://hikumano.umin.ac.jp/cbt_kougi.html
講義資料は公開を続けるそうです。
以下、メモです。
第8回
メタ認知療法
マインドフルネスと違った発展の形
認知療法らしい発展の形
メタ認知療法では自動思考は問題とは捉えていない
マインドフルネスでは思考は知覚の一つ
五感の次に発生する知覚
メタ認知療法の考え方に近い
自動思考はメタ認知的信念によってコントロールされている一部
→自動思考そのものに介入のフォーカスを当てても仕方がない
自動思考は産物的に生み出されるもの
認知機能の中でも注意機能に注目
自分にばかり注意が向かった状態が問題なんじゃないかという発想から生まれた
メタ認知はプロセスに働きかけている
メタ認知の内容に働きかける
ネガティブなメタ認知的信念に直接介入する
メタ認知とは認知に適用される認知のこと
メタ認知的知識、経験、方略に分けて理解される
思考に対する通常の経験の仕方 →対象モード
→思考は現実と区別されない
思考は感覚と同じように捉えている
仏教の六根の説明と近い
メタ認知モード →思考は自身や世界とは別の出来事として観察
メタ的に見ている方に自分を置いている
自動思考はその後の気分や行動に一貫した影響力を持たないことから問題と捉えない
心配、反芻、思考抑制などの思考プロセスがメタ認知的要因によりトップダウンに選択、実行されることに問題がある
CAS 認知注意症候群
不安障害やうつ病を持続させる中核的な病理的過程
脅威刺激への注意バイアス
心配、反芻などの反復的思考
回避行動や思考抑制などの役に立たない対処行動
DM ディタッチト・マインドフルネス
自分の考えと距離を置くこと
メタ認知療法の主要な介入目標
→中間レベルをCASからDMに変容すること
介入の進め方
メタ・システムと下位処理ユニットの処理様式に応じた介入方法が必要
下位処理ユニットへの介入 →注意機能に焦点を当てる
メタ・システムねと介入 →メタ認知的信念に焦点を当てる
自由連想タスク
病気の種類によっても反応が変わってくる
メタ認知的視点は自分の中と外の境目にある
自己注目しすぎないように または適切に自己注目できるように
マインドフルネスは自分の中にも外にも気づけるようにする
DMは自分の中だけ
注意訓練
注意の柔軟性を身につけ、自己注目的な認知処理から開放することを目的とする
ネガティブな思考を制御する対処としては用いない
避けるために使わないことを理解してもらう
注意の基礎力を高める
うつ病 →注意の持続が苦手 反芻が意識の中に入ってくるため
強迫性障害 →注意の転換が苦手
ADHD →注意の転導性が高い 受動的な転換がずっと起きている
不安障害 →注意の分割が苦手 脅威モニタリングが働きすぎる
社交不安障害 →注意の転換と分割が苦手