アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

痛み行動の報酬は何か

第5回医療者向け慢性の痛みワークショップ

 

 11月24日に NPO法人いたみラボ主催の研修会「第5回医療者向け慢性の痛みワークショップ」に参加しました。参加者定員45名で9グループに分かれて講義を受けたり、ディスカッションしたりしました。参加者は医師、看護師、心理士、PT、OTなどで各グループに均等に配置されていました。他職種でディスカッションできる場はなかなかないので貴重でした。最初に理解度をチェックするための簡単なテストがあって驚きました。


 慢性疼痛治療は痛みだけを診るのではなく、患者の訴えに耳を傾けてADLやQOLを考慮した具体的な行動を治療目標にすることが大切だということをポイントとして受け取りました。痛みはブラックボックスで本人にしか分からないものです。生物心理社会的な面から包括的に痛みを捉えて、患者さんの能動性を引き出すことの重要性を再認識できました。

 

 セラピストに触ってもらうことが報酬となって痛み行動を助長してしまうのはとても恐ろしいことです。セラピストの徒手的な介入が痛み行動を強化し、さらに過剰な徒手的介入を行うことによって痛み行動が慢性化していく悪循環に陥ってしまうこともあります。もちろん急性期には徒手的な介入が必要です。しかし、いずれは退院して自分で生活していかなければいけません。患者さんが自分自身で自分の身体や心を管理できるように意識付けをすることの必要性は忘れてはいけないと思います。そのためにセラピストが認知行動療法の要素を手段として用いるのは有効ではないかと思います。

 

 最後にも最初と同じ設問のテストがありました。目的志向と振り返り。これも認知行動療法の要素です。参加者にとても配慮の行き届いた研修会でした。お弁当付きで2,000円は格安です。運営の方やファシリテーターの方はボランティアだそうです。このような他職種で参加できる研修会が増えるといいですね。

 

ありがとうございました。

 

 

NPO法人 いたみ医学研究情報センター
http://www.pain-medres.info

 

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