『効果10倍の<教える技術>』
効果10倍の<教える>技術 授業から企業研修まで (PHP新書)
- 作者: 吉田新一郎
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/09/22
- メディア: Kindle版
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平成26年12月13日 読了
まとめ:
学びは知識や情報の学習者による「消費」ではなく、学習者によって知識や意味が「生産」されること
実践することが大切
キーワード:
講義を聞くだけでは10%しか身につかない p26
約二千五百年前にあの有名な老子は「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったことはわかる」と言ったそうです。
この老子が言ったことを数字で表したアメリカの研究者がいました。それは次の通りです。(数字は、記憶に残る割合を表しています)。
聞いたことは、 10%
見たことは、 15%
聞いて見たときは、 20%
話し合ったときは、 40%
体験したときは、 80%
ここまでは、老子が言ったこととだいたい合っています。それでは、「見つけたこと(発見したこと)は、できる」のレベルは、どのような体験に相当するか想像がつきますか?
教えたときは、 90%
です。
変化の速度が急速な時代には構成主義に基づく「学び」を p38
これからの教え方は、創造者としての学習者、チームを単位として協力して事に当たる、相互のかかわり合い、頭だけでなくこころも含めたからだ全体で学ぶ、選択の余地が多様にあり、あらゆる学び方の違いに対応できることなどが基本になります。
「学び」の質と量を左右する九原則 p58
①人は皆、常に学んでいる
②安心して学べる環境が大切である
③積極的に参加できるとよく学べる
④意味のある内容や中身を扱うことでよく学べる
⑤選択できるとよく学べる
⑥十分な時間があるとよく学べる
⑦協力できるとよく学べる
⑧振り返りとフィードバックがあるとよく学べる
⑨互いに讃え合ったり、教える機会があるとよく学べる
「やってみる」「振り返る」に重点 p88
「学び」で大切なのは、教師や講師が言ったり、パワーポイントなどのメディアで何かを見せたりすることではなく、学習者が言ったり、したりすることです。「学び」は、教師や講師が語り聞かせることではありません。学びは知識や情報の学習者による「消費」ではなく、学習者によって知識や意味が「生産」されることです。それには、自分のものにするための練習の時間も必要です。
学んだことのたった一割しか活かされていない p142
EQ(こころの知能指数)の概念を世に広めた心理学者のダニエル・ゴールマンンは、次のように言っています。
研修参加者の多くは、自分の職場へ帰ったら実行すべきことを十分に理解して研修プログラムを後にするが、職場に帰るとその知識を実行することを怠るのだ。したがって、内容を頭で理解することは必要条件であるかもしれないけれども、そこで行動変容を引き起こすための十分条件とはなり得ない。(中略)知的学習は行動変容とは基本的な部分で大きく違っていることから、それぞれのための教育モデルにも大きな差が生ずる。知識の習得には、教室での学習が適切なやり方をいえる。(中略)しかし行動変容となると、生活そのものが学習の舞台となり、相当長い期間にわたり実践を繰り返すことが要求される。(中略)新しい習慣が古い習慣にとって代わるに至るまでには、相当の練習が必要となる。(中略)何日間より何週間のほうがよいし、何週間よりも何カ月間のほうがよい。態度や行動の変容など高度な習慣の場合には、最大の効果をもたらす練習時間は、三カ月から6カ月、あるいはもう少し長い時間が必要とされるのだ。
思考を刺激するのが「いい質問」 p174
それでは、「いい質問」とはどんな質問なのでしょうか?
それは、思考(場合によっては、行動まで)を刺激するものです。もちろん、反応を求めていますし、さらなる質問をつくりだします。ロバート・フィッシャーは、それを次のように分類しています。
・焦点を絞り込む質問
・比較することを求める質問
・はっきりさせるための質問
・さらに調べることを促す質問
・理由や背景を求める質問
目次:
プロローグ 私の「教え方」史
第1章 間違った習慣からの脱出
第2章 よりよい「学び」をつくるための5つのポイント
第3章 「学び」のサイクル
第4章 仕事や生活に活かす
第5章 「学び」をサポートするためにすべきこと
資料編
アクションプラン:
研修会で学んだことを実践する