『誤解されない話し方』
平成27年1月10日 読了
まとめ:
すべてのコミュニケーションにおいて重要なことは、円滑に自分の意見を通し、相手を「説得」するのではなく「納得」させることである。
誤解や摩擦を恐れるあまりに自分自身の意見を通すことができなければ、何の意味もない。
「誤解する」「誤解される」連鎖の仕組みを理解することで、相手の発言を正しく理解でき、自分の発言を正しく理解してもらうことができる。(「はじめにより」)
キーワード:
「立ち振る舞い」とは何か p37
その人の発言の信憑性を左右する「立ち振る舞い」とは何か。この「立ち振る舞い」は大きく分けて三つの要素によって成り立っていると考えることができる。
①言動にムダがないか
②確信を持って話しているか
③話が整理されているか
相手を前向きにできるか否か p69
人を前向きにする力のことを「エンパワーメント(empowerment)」と呼ぶことがある。文字通り「チカラを与えること」であり、組織のメンバーに自発的な行動を促すモチベーションを上昇させる効果のことを指している。
このエンパワーメントを成功させるには以下の三つの要素があるとされており、そのポイントを押さえることで聞く耳を持ってもらえたり、より深く納得してもらえるようになる。
①ビジョンの共有
②正当な評価と報酬
③能力の把握と資源の提供
聴くには心がある p92
会話を支配できる人は、相手が望んでいることを瞬時に把握し、それを元に相手のベネフィットになることを織り交ぜながら話を進めることができる。つまり、すべての発想の原点は相手が話している内容を咀嚼する理解力であり、自分自身の思想ではないのだ。
「私」ではなく「私たち」 p142
仕事を進めるために働いているのは、自分ひとりではない。もし仮に、その案件に対して主導権を持ちメイン・アイデアを考えていたとしても、その周りには数多くのスタッフが目標達成のために働いてくれている。多くの人がひとつのチームとして動いているのだ。
だからこそ、クライアントへのプレゼンテーションなどの際には、主語を「私」ではなく「私たち」にすべきであると考える。「・・・と私は思います」から「・・・と私たちは思います」へ変更する。ただそれだけである。こうすることだけで、二点もの恩恵を享受することができる。一点目はチームの団結力を高める効果。二点目はクライアントからの印象が良くなる効果である。
半径五メートル以内への気配り p151
身近にいる人の尊敬できるポイントを発見できるようになると、自分がどのように変わればいいかがおのずと見えてくる。身の回りには教師が溢れている。大切なことはすべて半径五メートル以内にある。人の長所を見つけることを心掛けていただきたい。
目次:
第1章 会話は誤解で成り立っている
日本語会話の八割は誤解である 「そんなことまで」言わせる時代 ほか
第2章 会話で得する人、損する人
損する会話とは何か 誰もが「キレる」時代へ ほか
第3章 変えるより、変わろう
見えない鏡 頑固と思うほうが頑固 ほか
第4章 勝って驕らず、負けて腐らず
勝って敗者を称えよ 負けるが勝ちは本当か ほか
第5章 誤解からトラブルが生じたら―胸で唱える一〇の言葉
謝罪より和解 しつこさに「質濃さ」はあるか ほか
アクションプラン:
主語を「私たち」に変える