アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

『情報を見抜く思考法』

 

情報を見抜く思考法

情報を見抜く思考法

 

 平成27年1月13日 読了

 

まとめ:

「決断力は情報によって支えられる」 

 

キーワード:

誰しも自分が何かを得られると分かった瞬間、動くもの p16

 仕事でのやりとりは、相手へのギブなしでテイクできるほど、甘いもんじゃありません。それが分かっていないと、人を動かすことなど無理です。

 周囲が、あるいは上司や部下や後輩が思うように動いてくれないと悩んでいる人も多いと思いますが、それは相手サイドの問題ではなく、あなた自身に問題があるのです。なぜ、相手が動かないのでしょうか?

 簡単です。誰しも自分が何かを得られると分かった瞬間、動くものだからです。

 動かないということは、何も得られないと判断したからにすぎません。

 それは金銭や物品に限りません。情報も相手を動かすための極めて重要な「武器」となります。相手が欲しがっている情報を提供できれば、相手はある程度、こちらの思い通りに動いてくれます。

 そんなこといったって、お金も情報もないという人も多いでしょう。

 そんな人たちはどうすればいいのでしょうか?実はとても便利な提供物があります。

 それは「あなた自身」です。

 

 相手に「あいつのためならひと肌脱ごう」「あの人の頼みなら無理をしてでも聞いてあげよう」「体を張っても守る」と思わせれば、金や物など必要ありません。相手はいくらでも動いてくれます。相手はあなたの頼みを聞くことで、あなたのために動くことで、喜びという対価を手に入れることができるのですから。

 

 

最も大切なのは「源流を探る」こと p46

 現象面の動きに惑わされず、現在起きている状況をできるだけ分析・解明しようとする時、最も大切なのは「源流を探る」ことです。

 つまり、「なぜ、こうなるのか(なったのか)?」という疑問から出発する姿勢です。

結果が出た時、ごく稀なケースを除けば、それは「たまたま」でも「偶然」でも「弾み」でもありません。そこには、必ず「原因」があります。その原因を突き止めることができれば、なぜそうなったのか、あるいは逆にそうならなかったのか、その結果として何が起きたのかを分析することは、それほど難しい作業ではありません。

 目の前で展開される現象や事象に対して、常に分析的な視点で臨むことができるようになると、ある瞬間、自分で気付きます。

 いつの間にか、感情よりも論理を優先させている自分に。

 どんな時でも、何かが起きる、何かが動くには、まず原因があり、そこからまっすぐか曲がりくねっているかは別として、必ず結果に向けた道がつながっているはずです。そのルートマップを見つけ出すこと、つまり原因から結果へ至る道筋をきちんと分析し、論理的に整理することが、「その道の先」を見つけ出すための最大の武器となります。それを身に付けることができれば、望む未来を手にいれることができるかもしれません。

 

仕事や問題は「切り売り」せよ p72

 本当に優秀で、大組織、大企業、果ては国家のトップに立つような人間は、多くが「切り売り」を得意としています。

 つまり仕事や問題の処理を、さりげなく周囲に「おすそ分け」できるタイプです。

 そして優秀な人間は、切り売りした結果について、自分で責任を取ります。周囲に分けたからといって、個別の責任まで転嫁しません。

 なぜ、優秀な人は仕事や問題を切り売りするのでしょうか?理由は三つあります。

 第一に彼らは自身も含めて人間が万能ではないことを知っています。だから全部を抱え込むより優先順位を見極め、順位が低いものについては周囲に振り分け、自身は重点課題に集中するほうが効率的だと考えます。

 第二に、人材の育成という視点があります。切り売りした結果、失敗する人間も出てくるでしょう。処理スピードが「かたつむり」並みの人間もいれば、途中で投げ出す人間も出てくるでしょう。そういう連中を辛抱強く見守り、時に的確なアドバイスを与えることで、人間というのは成長していくもの。組織の維持、発展を長期的な視点に立って考えるのが真のリーダーだとすれば、自らの手で人材を育てていくのは当然のことでしょう。

 

 第三に、切り売りは組織の連帯感を生み出すのに大きな効果があります。どんな組織も連帯感、帰属意識、結束力が生まれることで、強く大きくなります。連帯感や結束力を強めるには、組織に所属する誰もが「参加意識」を持ち、「自分も役に立っている」と思える環境をつくることが大切です。

 

必然性を発見できれば「予測力」が備わる p78

 必然を見出すために必要なもの、それが「論理思考」です。

 

 起きている事態や現象が、どんなに複雑怪奇でも、その中に「必然性」を見出す努力が何より大切なのです。そもそも「何が原点」で「どういう経路」をたどり、「なぜこういう結果」を生み出したのかを論理的に検証すれば、大なり小なり必然性の発見に結び付くからです。

 つまり論理思考や必然性探求という姿勢を積み重ねていくと、知らず知らずのうちに予測力が身に付きます。論理的思考によって必然性を発見できると、それが過去の検証であるばかりでなく、高い確率で「その延長線上に何が想定できるか?」が見えるからです。

 先が読める人間は、「その他大勢」から一歩も二歩も抜け出すことができます。つまらないことに、いちいち巻き込まれずに済むわけです。ストレスも溜まりません。

 そんな予測力を身に付ける、あるいは磨き上げるために必要なもの、その基本にあるのが論理的思考です。

 

ビジョンという名の「共有力」を武器にせよ p173

 ビジョンは何でもいいというわけではありません。

 どんなに立派なビジョンを掲げても、それだけで人が共感するわけでも、ついてくるわけでもないからです。みんながそのビジョンを「共有」しようと思わなければ、何の意味もありません。つまり、多くの人に「共有意識」を抱かせる力を持つ人だけが、本当の意味でのリーダーになる資格があります。

 その「共有力」と呼ぶべきものは、どうすれば獲得できるのでしょうか?

 普段、誰からも評価されていない人間が、いきなり「みんなでこのビジョンに結集しよう」と叫んだところで、誰も付いていきません。だから、まずは本人の「人間力」が必要です。

 その上で不可欠なのが、ビジョンの中身でしょう。

 

 そこに、①明快であること、②簡潔であること、③説得力があること、④独創性があること、⑤大勢の想像力を刺激する中身であること、などを盛り込んでいれば、スタートラインまではたどり着きます。

 そして大事なのは、そのビジョンの実現に、全力で取り組もうとする気持ちです。人間というのは、本気のリーダーに共鳴し、そんなリーダーの思いを共有しようとすることを、忘れないでください。

 

目次:

 第一章 どんな組織も感情で動く

 第二章 すべては論理的に考える

 第三章 思い込みを捨てて、疑ってかかれ

 第四章 ウォッチする技術

 第五章 マクロとミクロの情報力

 第六章 他人の視点で想像せよ

 

アクションプラン:

「必然性」を見出す努力をする