『モチベーションを思うまま高める法』
平成28年1月23日 読了
まとめ:
・モチベーションを高めるには「外発的動機づけ」から「内発的動機づけ」へ転換する
・「好きなこと」ではなく、「上達できること」に取り組む
・小さなプラスを見逃さない
・自分が成長した部分に着目して達成感を得る
・人に素直な態度で接し、フィードバックをもらう
・リーダーは場をつくり、メンバーの関係性を引き出すことが必要
・リーダーは成果だけを見て褒めない、咎めない
・喜びや苦しみを共有できる「二人担当制」を利用する
・人は教えるときにもっともよく学ぶ
キーワード:
圧倒的なアウトプットを生む「ニンジン」入手法
人から言われるのではなく、自分がやりたいからやる、がんばりたいからがんばる。自分自身の心の中から湧き上がるエネルギーに従って能動的に動いていく。そうした、本来あるべきモチベーションのかたちへと立ち返る時期が来たのです。
つまり、「外発的動機づけ」から「内発的動機づけ」へのパラダイムシフトです。
給与や他人の評価、罰則といった外からの働きかけである「外発的動機づけ」ではなく、自分の心の中から湧き上がってくる、ワクワクする気持ちに従う「内発的動機づけ」への転換。 p33
自分の心に素直に生きる。内発的動機づけに従って生きることが、幸せにつながり、そして圧倒的な活躍につながっていきます。そして、予期しない副産物として「成功」を得ることになるでしょう。 p35
「ビジネススキルを最速・最短で高める法」を覚える
やる気を出すためによく、「好きなことをやれ」という言い方をします。しかし、これには、「上達できることに取り組んでいる限り」という前提が隠されています。
たとえ、そのことが好きであっても、上達しなければ、決してやる気は持続しません。つまり、「好きなこと」ではなく「上達できること」に取り組むべきなのです。 p74
自分の仕事で「雲の上の山頂」を見つけよう
上達できることにフォーカスするのがコーチング的「成長モデル」です。
コーチングでは、クライアントが何をしているときに一番エネルギーが出るのか、上達できるのかを考えます。エネルギーが湧き起こることに集中するのが、その人をもっとも成長させるからです。
上達できることー雲の上の山頂ーにフォーカスするということは、このコーチング的「成長モデル」を採用する、ということになります。 p82
小さなプラスを見逃さないことが、モチベーション維持には欠かせません。 p83
理想の未来ではなく、過去の自分とのギャップ。このギャップは欠乏ではなく、成長です。自分が成長した部分に着目することで、達成感を得てモチベーションを高める。 p84
【人間関係力】フィードバックを「最高に膨らませる!」
何を言い出すのかわからない他人は、人生でもっとも大きな偶有性です。
この偶有性をプラスに働かせることができれば、大きなモチベーションにつながります。
人からもらうフィードバックは、「ひらめき」にも似た感激があります。「気づき」と呼んでもいいでしょう。 p163
人から受ける思いもよらない反応は、「なるほど」の連続であり、気づきの宝庫なのです。
その気づきを得て、さらに人の期待に応えようとがんばる。フィードバックをもらうことで、モチベーションのポジティブフィードバックが生まれる。これが大きなモチベーションになります。
こうしたフィードバックをもらうには、まずは素直な態度で接すること。
具体的には、「なるほど」と肯定的に受け止める方法が効果を発揮します。どんな無理なオーダーでも、すぐに否定するのではなく、なぜそういうことを言うのだろうかと考えてみる。どんなことでもまずは受け止める態度をとっていれば、他人からフィードバックをもらいやすくなります。 p164
部員が「イキイキと活躍する場」ーどうつくる?
「チームのメンバーが、それぞれ主人公である」ーしかし、同時に、そこで行なわれるプロジェクトは、まるで即興劇のように、誰もが一人の役者。そこに決められた主人公はいません。
一つの舞台の上で、みんなの手で劇をつくり上げていく。リーダーの役割は、こうした即興劇の場を用意し、他のメンバー同様、役者の一人として劇に関わっていくことです。
こうしたアプローチは、サーバント・リーダーシップと呼ばれています。サーバントとは、他人に奉仕する人のこと。
カリスマ的な魅力で引っ張っていくのではなく、メンバーや顧客、コミュニティに奉仕するかたちで発揮されるリーダーシップです。こうしたリーダーは、他人の言葉に耳を傾け、メンバー間の関係を円滑にし、メンバーの成長に深く関与しようとします。 p181
場とは、仕事をする環境であり、いっしょに仕事をする仲間との関係性です。いくら口で「やる気を出せ」と言っても、環境がひどかったり、仲間とのチームワークが悪ければ、モチベーションは上がりません。
自分が活躍するにふさわしい場が用意され、自分なりの自己表現ができると確信すれば、誰しもやる気が湧き起こるはずです。
こうした舞台を整えることこそがリーダーのもっとも重要な仕事の一つであり、メンバーのやる気を引き出す方法なのです。 p183
できるリーダーは、部下を「褒めない」。「認める」
助け合う場をつくるためにも、リーダーは個人の失敗そのものを咎めてはいけません。逆に個人を成果だけで評価することもしてはいけないのです。
これは、褒める場合でも同じです。成果だけを見て褒めることは、成果だけを見て叱るのと、じつは同じマイナスの効果があります。 p192
成果だけを見て褒めることは、モラルハザードを助長してしまうのです。 p193
二人担当制 ー組織を「一丸にする法」
会社で出会ったのは偶然とはいえ、同じ目標に向かって力を合わせて真剣にがんばるという状況は、会社以外の場所ではなかなか巡ってこなかったでしょう。喜びも苦しみも、分かち合う人がいるからこそより大きな喜びにもなるし、大きな苦しみを乗り越えることもできるのです。 p209
チームとしての一体感を醸成するために、喜びや苦しみを共有するしくみを導入する必要があります。
その一つの方法が、二人担当制です。
どんな小さなことでも、メインの担当とサポート担当の二人をつけるしくみです。 p210
先輩後輩のあいだで共同作業をさせることで、目の届かなかったところまでしっかりとマネジメントすることができるというメリットがあります。
このしくみの優れているところは、役割分担の中に、すでに「弱いメンバーを助ける」「弱いメンバーに教える」という贈与のしくみが組み込まれているところです。チームの一体感だけでなく、労働を贈与と捉える文化の醸成にも大きな効果を発揮します。 p211
ここで重要なのは、教える側がより学べるということです。教えるという行為そのものの中に、自分自身への純粋贈与が秘められているのです。教えることで、自分の知識がより確固たるものになり、また、新しい気づきも得られるのです。 p212
「お互いがモチベーションを高め合う」理想の集団
人は教えるときにもっともよく学ぶ。
リーダーの仕事は、仕事を直接教え込むことだけではありません。メンバー同士の関係性をデザインすることです。そこには、三つの要素が含まれていることが重要です。
①即興劇のように状況に合わせて柔軟に役割を変更する
②観客が誰であるかをつねに確認する
③失敗を許容し、弱いメンバーを助け、贈与し合う関係をつくる
こうした関係性をつくることで、
①直接的な報酬がなくても内発的動機づけで働くことができる
②仕事を通じてメンバーが成長でき、それを実感できる
③メンバーのサポートを得られるので、安心して仕事に熱中できる
④失敗を恐れず、冒険的な試みにトライでき、創造性を発揮できる
⑤等価交換でない、贈与としての労働の喜びを得られる
という環境が実現できるのです。
成果の基礎にあるのが、二人担当制という関係性づくり。サポートする、されるという関係をつくることで、チームに前向きな力があふれ、組織としての強度は増すのです。 p212
目次:
プロローグ 今後一〇年、あなたの人生から「すべての後悔」を消去!
1章 モチベーションを高める─ 新しい時代の「新しい成功法則」
2章 仕事をハックする─ 「圧倒的アウトプット」がなぜ可能?
3章 集中力を磨く─ 大切なところで「確実にヒットを打つ」法
4章 「ひらめく」技術─ モチベーションを成果につなげる!
5章 さらなる効果─ 人生を「思うままにコントロールする!」
アクションプラン:
自分が成長した部分に着目する
本格的にコーチングを学びたい方へ
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