アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

『できる研究者の論文生産術』

 

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

 

 まとめ:

 論文を生産的に書くには、「一気書き」を止め、スケジュールを立てて執筆時間をあらかじめ割りふり、そのスケジュールに沿って書いていく。

 

キーワード:

目標設定する p34

 目標というのは、やはり大切だ。明確な目標には、人を動かす力がある。つまり、明確な目標があれば、計画が立てられるし、個々の行動を実行できるし、目標達成時には誇らしい気持ちにもなれる(Bandura, 1997)。逆に、明確な目標がないと、行動というのは、散漫になり、方向性を欠いてしまうものだ(Lewin, 1935)。

 

進行状況を監視する p45

 文章をたくさん書くためには、進み具合をチェックして、執筆作業を冷静かつ正確に見つめることが欠かせない。目標を設定したり優先順位の上位に持ってきたりするだけで文章を着実に書き進めることができないのは、各種の行動研究からも明らかだ。目標に向かって進み具合をきちんと把握しておく必要がある(Carver & Scheier, 1988; Duval & Silvia, 2001)

 執筆の進み具合を把握しておくことは、書くことのモチベーションを維持するうえで、さまざまな効果がある。まず、進み具合を把握していれば、目標が明確になってくるので、目標を外すことがなくなる。

 第二に、自分の行動を見張っているだけで、机に向かって書くのが楽になる。行動研究からは、自己観察だけで、所望の行動が誘導されることがわかっている(Korotitsch & Nelson-Gray, 1999)。

 

引用文献:

Bandura, A.(1977). Self-Efficacy: The Exercise of Control. New York, NY: W. H. Freeman.(アルバート・バンデューラ『激動社会の中の自己効力』本明寛・野口京子(監訳) 金子書房 1997)

Lewin, K.(1935). A Dynamic Theory of Personality. New York, NY: McGraw-Hill.

Carver, C.S., & Scheier, M. F.(1998). On the Self-Regulation of Behavior. New York, NY: Cambridge University Press.

Duval, Y. S., & Silvia, P. J. (2001). Self-Awareness and Causal Attribution: A Dual Systems Theory. Boston, MA: Springer.

Korotitsch, W. J.,  & Nelson-Gray, R. O. (1999). An overview of self-monitoring research in assessment and treatment. Psychological Assessment, 11,415-425. 

 

目次:

第1章 はじめに
第2章 言い訳は禁物 ――書かないことを正当化しない
第3章 動機づけは大切 ――書こうという気持ちを持ち続ける
第4章 励ましあうのも大事 ――書くためのサポートグループをつくろう
第5章 文体について ――最低限のアドバイ
第6章 学術論文を書く ――原則を守れば必ず書ける
第7章 本を書く ――知っておきたいこと
第8章 おわりに ――「まだ書かれていない素敵なことがら」

 

アクションプラン:

執筆スケジュールを立て、記録し、監視していく