文献ー「若年性アルツハイマー型認知症と診断されたA氏への心理的支援 カウンセリングと事前指示書作成の取り組み」
認知症ケア事例ジャーナル,11(1):3-10,2018
まとめ:
若年性アルツハイマー型認知症と診断された方に対して,カウンセリングを通してアプローチした臨床心理士の方の実践報告.カウンセリングでは,日常生活での不安の明確化と具体的な対応方法の検討,夫も含めた事前指示書の作成支援を行った.不安や記憶障害への配慮として付箋やカウンセリング記録を利用したことや,夫婦の思い出や価値観を共有するために夫との三者面談での自己紹介カードを作成したことなど,様々な工夫を行っている.対象者本人だけではなく家族も含めた心理的支援の実際が具体的に記述されており,文章化の方法について非常に参考になる.
キーワード:
厚労省が行なった調査では、事前指示書を書面に残す必要性を感じている人は70%にも上る一方で,実際に書面に残している人は3.2%という報告がある
厚生労働省(2014)「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」
若年性認知症患者に認知行動療法を試みた報告では,急速な認知機能低下に加えて,同年代の友人が仕事をしていることで,抑うつ感やネガティブな思考が生じやすいことが指摘されている
Johanne Bjoernstad Tonga, Espen Ajo Arnevik, Katja Werheid, et al: Manual-based cognitive behavioral and cognitive rehabilitation therapy fon young-onset dementia; a case report. International Psychogeriatrics, 28(3):519-522, 2017.