『FUTURE INTELLIGENCE 〜これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10 の習慣〜』
FUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~
- 作者: スコット・バリー・カウフマン,キャロリン・グレゴワール,野中香方子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2018/04/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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心理学者のハワード・ガードナーによると、クリエイティブ思考の人の多くは、「誰かと出会い、あるいは何らかの本を読み、あるいは何かをして、『これが本当の自分だ、これがわたしのやりたかったことだ、人生をかけてするべきことだ』」と感じた瞬間のことを、鮮明に覚えているそうだ。
そのようにドラマティックで忘れがたく、何かに魅了される経験は、「結晶化」と呼ばれる。一目ぼれのように、その人の世界観や自己認識に永続的な変化を起こし、それ以降、人はその活動と一体化するのだ。 p37
クリエイティブ思考の人のモチベーションになるのは「主観的な価値」であり、その目標の「客観的な価値」や、「達成しやすさ」ではないのだ。 p45
インスピレーションを得やすい人の方が、結果的により多くの努力をするのである。 p47
1991年、ポジティブ心理学者のチャールズ・スナイダーは、自らが打ち立てた「希望理論」の中で、希望は、目標を達成するための意志を強くし、その方法を考えることにつながり、成功するための手段としては、「楽観主義」や「自己効力感」より有効だとした。 p50
今日にいたっても心理学者は、人の関心が外から内に向かい、空想や心象、記憶、内的独白に浸るさまを、「思考の侵入」、「朦朧」、「タスクと無関係の思考」、「あてのない思考」、「マインドワンダリング」などと呼ぶ。 p54
マインドフルネスとは、今この時に心を集中させ、ありのままを感受することだ。 p68
マインドフルネスとマインドワンダリングの間には、ある種の緊張関係があるように思える。マインドフルネスは、思考を鎮めて、穏やかで平和な心を養うことに主眼を置くが、マインドワンダリングは思考を自由にさまよわせることを促す。 p68
創造的な仕事で成功を収めた人々は、往々にしてこの二つの精神状態を巧みに活用している。 p69
クリエイティブ思考の人は、革新的なアイデアをひねり出すためにひとりきりの環境を必要とし、そのアイデアを一つの概念や製品にまとめる段階では共同作業をする、ということだ。 p79
実行注意ネットワークとデフォルト・モード・ネットワークは、片方が活性化すると、もう片方が抑制される。注意が他のことに向けられている時に最高のアイデアが出てこないのは、そういうわけだ。
ところが、この二つのネットワークは、外に注意を向ける時には対立しているが、クリエイティブ思考に関しては互いに補完しており、一方の機能を向上させると、もう一方の機能も向上する。 p80
クリエイティブ思考にとって重要なのは、自分への関心と他者への関心、内向性と外向性、深い内省と意欲的な行動のバランスをとることだ。内なる世界と外の世界を巧みに行き来することは、新しい時代を生きるために必要な、最も大切な資質のひとつなのだ。 p86
神経科学者のジェフリー・ホーキンスの研究により、人は新しい問題に直面すると、同じような状況の記憶をたぐり寄せ、そこから類推し、問題を解決しようとすることが明らかになった。脳では、わたしたちがある種の記憶と今の問題の類似性に気づいていない時ほど、無意識の思考がよく働く。つまり、記憶と今の問題解決のつながりがあいまいで範囲が広い時ほど、新しく型破りなアイデアが浮かびやすいのだ。型破りな類推をし、型破りなつながりをつくることで、独創的なアイデアや解決策が浮かぶのである。 p99
好奇心が強い人は、想像力が旺盛で、洞察力やクリエイティブ思考に優れ、美的感覚が鋭く、思考や知性が豊かな傾向にある。 p118