アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

認知行動療法講義メモ「第12回講義」

平成26年11月3日

 

早稲田大学の熊野宏昭先生の講義のメモです。

認知行動療法講義」の全12回分をUstreamで聴講することができます。

「第12回講義 アクセプタンス&コミットメントセラピー


Ustream.tv: ユーザー hikumano1: 「認知行動療法の基礎と展開」第12回講義, 「認知行動療法の基礎と展開」 第12回 アクセプタンス&コミットメント・セラピー . その他...

11月1日以降に削除されるようです。

 

講義資料もウェブサイトにアップされています。

http://hikumano.umin.ac.jp/cbt_kougi.html

講義資料は公開を続けるそうです。

以下、メモです。

 

第12回

アクセプタンス&コミットメントセラピー

 

イントラバーバル

エコーイック、オウム返しと対照的

先行事象と反応との間に対応関係がない言語行動

連想や知識

 

オートクリティック

言語行動またはその一部

話し手自身による別な言語行動に支配されていて、その別の言語行動を変容するものである

 

人間だけではなく、動物でも刺激性制御が成り立つ

 

ACTとは

頭でっかちな自分を置いておいて、目の前の現実に注意を向けよう、そして、やりたいこと、やるべきことを今から始めよう

 

6つの行動プロセスを評価し増やしていく

機能分析をしなくても使用できる

 

クライエントの外顕的な行動を変えることが重要

内潜的な行動を変えることではない

フォースとダークサイドの双方に注目

 

言語行動は従属変数

意図的にコントロールできない

認知療法とは対立

 

個々の言語機能ではなく、言語全体に介入することを目標とする

文脈に働きかける

言語の象徴性、生成性を弱めて、言葉の影響力を減らす

 

ゲイティング機能

自動的に回避する

→ゲイトを開いておく

→オープンな反応スタイル

心を閉じると回避しようとするものが余計に強調される

 

苦手なクライエント

→最初に治療者が開いておけるかが今後の治療に重要

 

認知的フュージョン

→思考と現実と自分を混同してしまう

→脱フュージョンしていく

 

気がついた上でそのままにしておく

→アクセプタンス

コンピューター君

→脱フュージョン

 

思考の世界全体と距離を取る

戻ってしまうけど、一瞬でも離れることはできる

繰り返し練習することで思考の世界から離れられるようになる

葉っぱのエクササイズ

 

機能による制御と文脈による制御

連続的な変化 →機能分析が有効

非連続的な変化 →初期条件と拘束条件(文脈)による制御が必要

言葉の象徴性(フォース)を利用して、人生の方向性(文脈)を選択し、行動活性化を図る

→価値の明確化とコミットメントによる介入

→言葉でうまく表現できればその後に影響力を持つ 行動をコントロールする力を高める

 

エンゲージメント機能

→現実に関与していくスタイル

→価値に沿った行動

 

行動とは外顕的なもの

→定義上、外界と関わっている

 行動するとちょっとでも現実が変わる

 行動が変わる可能性が増える

⇔内的な行動を変えても現実は何も変わらない

 

文脈は確率操作として働く

ルールは文脈として働く代表的な言語行動

→ルールを変えるのではなく、新たなものをつくっていく

 ネガティブなものをポジティブなものに変えるのではなく、ポジティブなものを増やしていく

価値の定義

→ある方向性に進むと得られる強化が最大になるような方向

価値を言葉にしたら行動してみる

→行動してみないと結果は分からない

 

CENTEREDな反応スタイル

モニタリング機能

→ちゃんと感じとろう しっかりと現実を受け止めよう

→プロセスとしての自己

文脈としての自己

→注意の分割

 

現実を感じ取る経験を重ねてACTへ

 

FEELアプローチ

→FEARをFEELへ

レスポンデント消去でも破局的思考の緩和でもない

特定の信念に対する緩和 行動実験をして緩和する

不安を減らすためにエクスポージャーするのではなく、ちゃんと感じられるようにする

事実を事実のまま感じる

何を考えても現実はそれとは違う

→だったら考えてもしょうがない 現実を受け止めるしかない

→行動レパートリーの拡大

 

足を意識して文章を読むエクササイズ

→注意を分割すると事実を客観的に捉えやすくなる

 

観察者としての自己

→普段、ものを考えているときは自然に認知的フュージョンが起きている

→バーチャルな世界にいる

はっと我に返る

→思考が止まる 過去になる

→今から過去に視点を転換する

→脱フュージョン

 

葉っぱのエクササイズ

→嫌なことを水に流す練習ではない

→体験の回避になってしまう

→嫌な気持ちから抜け出すためにやるのではない

考え続けない練習

 

マインドフルネスと注意

普通に考えている状態

→選択的注意

マインドフルネス瞑想の前段 サマタ瞑想

→注意の転換 フォーカスがある

→葉っぱのエクササイズと同じ

マインドフルネス瞑想の後段 ヴィパッサナー瞑想

→注意の分割

→オープンモニタリング

 フォーカスが広がっている

 

マインドフルネスが促進されるとネガティブなものに影響を受けにくくなる

結びつきに対してマインドフルネスが強いか弱いかが影響してくる

マインドフルネスは調整変数

→機能分析がXY軸だとするとマインドフルネスはZ軸に沿った変数