アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

『デジタルデトックスのすすめ』

 

デジタルデトックスのすすめ  「つながり疲れ」を感じたら読む本

デジタルデトックスのすすめ 「つながり疲れ」を感じたら読む本

 

 平成27年1月21日 読了

 

まとめ:

 ひとつの価値基準に合わせて競争させられたりすることから離れて、何物にも替えがたい自分自身の「個室」を探したり、つくったりすることこそ人生の醍醐味ではないか、そのひとつの方法としてデジタルデトックスが今必要とされているのだと思います。

 常に隣の芝生がチラチラ青く見えてしまうネット環境にいるからこそ、僕たちが意識して比べるべきは、他者ではなく自分です。過去の自分と比べて、今の自分が成長できているか。それだけをみていればいいのです。(終章より)

 

キーワード:

「ネット依存症」が進むとうつ状態に! p36

 SNSへの依存は、①情報収集、②情報発信というふたつの目的から始まりますが、気づかないうちに、③同調圧力が生じて、無目的に使うようになり、⑤抜けられなくなり、時間を浪費してしまう、という6つの段階を踏んで進行します。

 

メールよりも、直接会うことを大事にしよう p79

 仕事ができる人はみな、どんなにメールを多用していても直接人と会ってのコミュニケーションを大事にしています。

 

 人と会うことは一回性の出来事です。同じ時刻、同じシチュエーションで誰かと会うということは二度とありません。だからこそ、そこで交わされた会話は身体に馴染むように記憶されるのです。

 そうして多くの人と会うことで、言葉にならない経験値が蓄積され、コミュニケーション能力もアップします

 

「反芻」と「心配」が増幅されるネット空間の負の側面 p130

 「反芻」というのは、昔の嫌なことや失敗したことを思い返して、クドクド、クヨクヨ後悔しつづけることをいい、「心配」というのは、将来のことを取り越し苦労することだそうです。「もし、こうなったらどうなるんだろう」「もし、こういうことが起こったらどうしたらいいんだろう」というふうに延々と考えてしまい、ヴァーチャルな不安がどんどん高まっていってしまうのです。

  このふたつの思考パターンは、うつ病や不安障害と関係が深いことがわかっていて、「大事なのは、何を考えるかという思考の中身の問題ではなく、どのように考えているかという、その思考のプロセスにある」ことが科学的に明らかになってきているそうです。

 

 そうしたネットの負の側面にとらわれないようにするためには、熊野先生がいうように、言葉が持っている力を改めて認識することです。僕らが考えている以上に言葉というものは強い力を持ち、そして一歩間違えば、相手にネガティブなイメージを与えてしまうのです。それを理解しておくことは、これからデジタル社会を生きていくための重要なリテラシーになってくるでしょう。

 

マインドフルネスで現実を感じ取る p133

 「マインドフルネスが目指しているのは、考えるのではなくて、感じようということなんです。だから、一番大事なのは五感なんです。たとえばネットでは、言葉としてしか知覚されないので五感をほとんど使わない」

 つまり、デジタルな情報を受け取るというのは、言葉の力によってヴァーチャルなストレスがどんどん大きくなってしまう状態のため、「お留守になっている本当の現実の方を感じ取る練習がもっと必要」なのだそうです。

 

瞑想は脳のトレーニングにもなっている? p141

 「2005年のサラ・ラザー博士(マサチューセッツ総合病院)の報告によれば、10年15年とマインドフルネス瞑想をつづけることで、脳の限られた領域の容量が増大したことがわかりました。それぞれ『島』と『背内側前頭前野』と呼ばれる部位です。島はすべての身体感覚をまとめあげ、さらに情動調節の中枢でもある扁桃体に出力信号を送っている部位で、不安障害などでは過剰に活動していることが知られています。身体感覚をまとめあげる能力と情動調節の自由度を高めていると考えられます。または背内側前頭前野は、自分や他人の思考や感情の動きを対象化して理解する能力にかかわっていることが示されています」

 つまり、瞑想を長くつづけることはストレスに強い脳をつくるトレーニングになるということのようです。

 

目次:

序章 デジタルデトックスはなぜ必要か?

第1章 1億総「ネット依存」の時代が到来?

 ―成城墨岡クリニック院長 墨岡孝氏に聞いてみた。

第2章 デジタルデトックスをやってみた1 生活習慣編

第3章 デジタルデトックスをやってみた2 休日編

第4章 デジタル時代の心のつくりかた

 ―早稲田大学教授 熊野宏昭氏に聞いてみた。

終章 ネットに頼らない幸せ

 

アクションプラン:

過去の自分と比べて今の自分が成長できているかだけをみる