アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

『誤解されない話し方』

 

誤解されない話し方 説得力より納得力 (講談社+α新書)

誤解されない話し方 説得力より納得力 (講談社+α新書)

 

 平成27年1月10日 読了

 

まとめ:

 すべてのコミュニケーションにおいて重要なことは、円滑に自分の意見を通し、相手を「説得」するのではなく「納得」させることである。

 誤解や摩擦を恐れるあまりに自分自身の意見を通すことができなければ、何の意味もない。

 「誤解する」「誤解される」連鎖の仕組みを理解することで、相手の発言を正しく理解でき、自分の発言を正しく理解してもらうことができる。(「はじめにより」)

 

キーワード:

「立ち振る舞い」とは何か p37

 その人の発言の信憑性を左右する「立ち振る舞い」とは何か。この「立ち振る舞い」は大きく分けて三つの要素によって成り立っていると考えることができる。

 ①言動にムダがないか

 ②確信を持って話しているか

 ③話が整理されているか

 

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『ホンモノの思考力』

 

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術 (集英社新書)

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術 (集英社新書)

 

 平成27年1月7日 読了

 

まとめ:

 小論文やディベートは自分の意見を明確にするものである。

 小論文やディベートで論理的思考を繰り返す。

 自分の主張を裏付けるために、知識を増やそうとする。

 そうするうちに、読解力もついてくる。

 関心も、自ら学ぼうとする意欲も生まれてくる。

 一つの答えではなく、様々な考え方、様々な答えがあることを知ることができる。

 こうして、論理力ばかりか洞察力、つまりは総合力がついてくる。

 これこそが「ホンモノの思考力」である。(「結びにかえて」より)

 

キーワード:

二項対立こそ、論理の原型である p20

 言うまでもなく、論理的で科学的思考の基本は、主体と客体、すなわち観察する自分と対象とを明確に分けることだ。そうすることによって、人間は対象を自分から引き離して客観的に観察できるようになった。

 しかも、対象がある要素をもっているかもっていないかという二項対立を明確にすることによって、物事と物事の差異をきちんと認識するようになった。

 つまり、二項対立によって人間は意味の網目を手に入れたわけだ。こうして、現象を分析し、ある命題が真であるか偽であるかという判断もできるようになり、それを好ましいとみなすか否か、という意見をもつこともできるようになった。

 そもそも、物事を二つにきっぱりと分けて考えることによて、分析ができる。ある要素が存在するかしないか、真であるか偽であるか、好ましいか好ましくないかを明確にすることによって、現象を分析できる。

 そればかりではない。顕在・潜在、イエス・ノーを対置することによって、物事を一方的に見ないようになる。ある見方があれば、別の見方がある、賛成意見があれば、反対意見がある、あることを好む人間がいれば、好まない人間もいるということが明確になる。そして、ある意見を考えると、別の意見を前提とし、それを考慮するようになる。

 こうして、様々な二項対立によって、人間は分析し、厳密に思考し、自分の意見をもてるようになり、また多様な意見を考えるようになったのだ。

 しかも、二項対立を思考の原型にすることによって、自他の区別も明確になる。言い換えれば、自分は自分、他人は他人という個人主義的な意識が強まる。日本人のように、自他の区別を曖昧にして、他人を思いやったり、他人の世界に入り込んだりしない。一つの考え方だけでなく、別の考え方がある、別の価値観があるという認識をもてるようになる。

 

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『考えないヒント』

 

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)

 

 平成27年1月2日 読了

 

まとめ:

 アイデアは考えても浮かばないもの。

 体を「アイデア体質」に変えて、アイデアの種をたくさんポケットに入れる。

 アイデアの種をどこに植えて育てるかが大切。

 アイデアを生むための「考えないヒント」。

 

キーワード:

努力からひらめきは生まれない p17

 アイデアは、努力したからといってひらめくものではない。アイデアを仕上げることと、アイデアを出すことは違うんです。

 もし努力によっていいアイデアを生み出す方法があるとすれば、それは、日々の暮らしのなかで、いかにアイデアの種を拾えるようにするか、そういう環境を整えるかということしかない。

 アイデアは頭からではなく、体から生まれる。アイデアを生み出しやすい体のことを、僕は「アイデア体質」と呼んでいますが、もしいいアイデアをたくさん出せるようになりたいなら、体質をアイデア体質に変えるしかない。それが一番の努力ではないかと思います。

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『「身近な人」との人間関係がラクになる心理学』

 

「身近な人」との人間関係がラクになる心理学

「身近な人」との人間関係がラクになる心理学

 

 平成27年1月1日 読了

 

まとめ:

「人と一緒にいれば親しくなれると考えるのは間違いだ」

 部屋のドアの前にただ突っ立っていても、そのドアが開かれることはありません。ドアはノックしないと、内側から開けてもらうことはできないのです。隣に誰かが座っていても、毎日顔を合わせる人がいても、自分からの働きかけがなければ、相手の心と「つながる」ことは難しいでしょう。

 では、どうすれば、周囲の人と気持ちよくつながることができるのか。それを知り、身につけていくのが「人づきあい」と上手にすることだと私は思います。心理学では、そのためのキーワードがいくつも明らかにされています。(はじめにから引用)

 

キーワード:

「代償行動」で満足を得る私たちの日常 p21

 思い通りの対人関係が作れずにもがいてしまう人は、対人関係を「代償価」という考え方でとらえてみるのも手だと思います。

 人は、自分の欲求を実現できない時、その代償として別の行為を行うことがしばしああります。心理学ではこれを「代償行動」といいます。

 この代償行動で、どの程度の満足があったかを数値化したのが、「代償価」です。たとえば、2週間のオーストラリア旅行が100%の満足度なら、1週間の国内離島めぐりは何%になるか、というのが代償価の考え方です。

 

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『あなたを変えるたった1つの小さなコツ』

 

あなたを変えるたった1つの「小さなコツ」

あなたを変えるたった1つの「小さなコツ」

 

 平成26年12月31日 読了

 

まとめ:

 あなたが変わるための小さなコツ。それは、たった一つです。

 それは、あなたという人間がまっすぐに成長する、正しい順番を知ることです。

 その順番とは、希望を見つける、現実を知る、自分を知る、理想を知る、行動する、見直す。(はじめにから引用)

 

キーワード:

僕が最初の一歩を踏み出すために歩んできた流れ p52

 道に迷わず自分を成長させるために大切なこと。それは、「学ぶ順番を間違えないこと」です。

 その正しい順番は、

 現実を知る、自分を知る、理想を知る、行動する、見直す。

 そして僕自身はこのステップの前に大事なことがもう一つあると思っています。それは、「希望を見つける」ということです。成長のために一歩を踏み出すことすらできないような暗闇の中にいると感じている人に大切なことです。

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『効果10倍の<教える技術>』

 

 平成26年12月13日 読了

 

まとめ:

 学びは知識や情報の学習者による「消費」ではなく、学習者によって知識や意味が「生産」されること

 実践することが大切

 

キーワード:

講義を聞くだけでは10%しか身につかない p26

 約二千五百年前にあの有名な老子は「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったことはわかる」と言ったそうです。

 この老子が言ったことを数字で表したアメリカの研究者がいました。それは次の通りです。(数字は、記憶に残る割合を表しています)。

 聞いたことは、   10%

 見たことは、    15%

 聞いて見たときは、 20%

 話し合ったときは、 40%

 体験したときは、  80%

 ここまでは、老子が言ったこととだいたい合っています。それでは、「見つけたこと(発見したこと)は、できる」のレベルは、どのような体験に相当するか想像がつきますか?

 教えたときは、   90%

 です。

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作業療法士だから作業?

 昨日と今日、認知作業療法研修会に参加しました。研修会で聞いたこと、考えたことをまとめてみました。

 医療が発展してきたことで、健康寿命と実際の寿命の間には10年から15年の開きが生まれました。

 高齢社会となり、何らかの病気や障害を抱えながらも残された人生を生きていかなければならない時代となりました。

 その10年から15年をいつか治ると治療に依存して過ごすか、残された人生を好きなことをして過ごしたり、家族と楽しく過ごすか、どちらがいいかは明らかだと思います。

 本人がそのことに気づき、残された人生を前向きに考えられるように支援するのは誰でしょうか。

 そこにこそ作業療法の専門性を活かすことができると思います。

 その手段としてCBT、認知行動療法を応用したカウンセリング技術を有効に使うことができます。

 患者さんが自分に気づくための質問、ソクラテスメソッドを使うことで、患者さん自身が自分の状態に気づき、自分で自分のことを管理して最適な方法を選択していくことができます。

 そして、もう一つ。作業療法士には作業があります。どんな作業を選択するか、なぜその作業を選択したのか、作業を行うことで見えてくる思考や行動があると思います。あらゆる環境の中で人と人がつながるとき、そこには必ず作業があり、作業療法士が必要となるはずです。

 身体障害領域であれ、精神障害領域であれ、どんな障害であれ、どんな人であっても、主体的に考えて行動できる患者になる手助けをすること。それが作業療法士の役割ではないでしょうか。そこにはもう「患者」はいません。そこにいるのは一人の人間です。

 地域や生活期で治療に依存しないようにするには、急性期や病院での作業療法士の役割は大きいです。

 まずは患者さん自身が自分の病気や障害についてどう思っているのかを聴くことから始めてみましょう。

 言葉の力は大きいです。でも、言葉が話せなくてもコミュニケーションはできます。

 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。