作業療法士だから作業?
昨日と今日、認知作業療法研修会に参加しました。研修会で聞いたこと、考えたことをまとめてみました。
医療が発展してきたことで、健康寿命と実際の寿命の間には10年から15年の開きが生まれました。
高齢社会となり、何らかの病気や障害を抱えながらも残された人生を生きていかなければならない時代となりました。
その10年から15年をいつか治ると治療に依存して過ごすか、残された人生を好きなことをして過ごしたり、家族と楽しく過ごすか、どちらがいいかは明らかだと思います。
本人がそのことに気づき、残された人生を前向きに考えられるように支援するのは誰でしょうか。
そこにこそ作業療法の専門性を活かすことができると思います。
その手段としてCBT、認知行動療法を応用したカウンセリング技術を有効に使うことができます。
患者さんが自分に気づくための質問、ソクラテスメソッドを使うことで、患者さん自身が自分の状態に気づき、自分で自分のことを管理して最適な方法を選択していくことができます。
そして、もう一つ。作業療法士には作業があります。どんな作業を選択するか、なぜその作業を選択したのか、作業を行うことで見えてくる思考や行動があると思います。あらゆる環境の中で人と人がつながるとき、そこには必ず作業があり、作業療法士が必要となるはずです。
身体障害領域であれ、精神障害領域であれ、どんな障害であれ、どんな人であっても、主体的に考えて行動できる患者になる手助けをすること。それが作業療法士の役割ではないでしょうか。そこにはもう「患者」はいません。そこにいるのは一人の人間です。
地域や生活期で治療に依存しないようにするには、急性期や病院での作業療法士の役割は大きいです。
まずは患者さん自身が自分の病気や障害についてどう思っているのかを聴くことから始めてみましょう。
言葉の力は大きいです。でも、言葉が話せなくてもコミュニケーションはできます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。