『回復力 失敗からの復活』
平成25年10月12日 読了
まとめ:
人は必ずしも、大きな失敗からすぐに立ち直れるほど強くはない。
でも、一方で、人には必ず「回復力」というものが備わっている。
失敗したとき、「人(自分)は弱い」と認めて、エネルギーが回復するのをひたすら待つ。
失敗と付き合っていくうえでやるべきことは、「失敗への備え」と「決めたことを愚直にやり続けること」。
目次:
はじめに
第1章 人は誰でもうつになる
第2章 失敗で自分が潰れないために大切なこと
第3章 失敗したら誰の身にも起こること
第4章 失敗後の対処
第5章 失敗に負けない人になる
第6章 失敗の準備をしよう
第7章 失敗も時代とともに変わる
第8章 周りが失敗したとき
おわりに
キーワード:
大切なのは「人(自分)は弱い」ということを認めることです。自分が、いまはまだ失敗に立ち向かえない状態にあることを潔く受け入れて、そのうえでエネルギーが自然に回復するのを待つしかないのです。
不思議なもので、人はエネルギーが戻ってくると、困難なことにも自然と立ち向かっていけるようになります。これは人間がもともと持っている「回復力」の為せる業です。回復に必要な時間は人によっても失敗の種類・大きさによってもまちまちですが、エネルギーが回復すると必ず自発的に行動したくなります。そうなるのをひたすら待つのが、遠回りのようですが、じつは最善の策なのです。 p34
エネルギーは人間の行動の源です。これは自分自身の考え方や行動を変えるのに不可欠なものです。失敗からできるだけ早く回復するには、失われたエネルギーをいかに上手に早く溜めるかが大切になります。 p38
失敗によって自分が失ったエネルギーを、まず回復する方向にいかに向かわせるか、それが失敗にうまく対処するための、はじめの重要なポイントになるのです。 p51
失敗の評価方法 p72
「自分の評価」と「他人の評価」
自分の評価:その人自身の価値観に基づく評価の方法。失敗を実際より小さな問題と考える「過小評価」になりやすい。
他人の評価:自分の評価とは正反対。判断はむしろ「過大評価」になりやすい。
失敗を評価する四つの視点 p80
「物理的視点」「経済的視点」「社会的視点」「倫理的視点」
最も大切なのは、失敗を前にして自分が何をどう考えてどう行動したかを後々までしっかりと覚えておくことです。それができれば、自分の判断や考え方、あるいはそれに基づいた行動がどんなふうに間違っていたかを後で確認することができます。これは失敗を正しく理解するための基本です。そして、そのようなことができる人だけが、失敗に学ぶことができるのです。 p112
失敗を想定する 「逆演算」と「仮想演習」 p125
「逆演算」:まず具体的にどんな失敗が起こるかという結果を思い浮かべて、そこから遡りながら、その失敗を誘発する原因を検討していく
「仮想演習」:条件を変えたときに何が起こるかを頭の中で想像する方法。想定されるさまざまなことについてシミュレーションを行いながら、どのような条件のときにどのような失敗が起こり、その際にどのような問題起こるか検討する
失敗と付き合っていくうえで、絶対にやるべきこととは、「失敗への備え」であり
「決めたことを愚直にやり続けること」です。一方、絶対にやってはいけないこととは、「保身のために人を陥れるズルやインチキ」ではないでしょうか。 p135
大切なのは、「社会は必ず変化する」ということを念頭に置き、その変化を意識することです。変化によって、従来どおりやっていたことが、突然大失敗の元になることがあるのです。それさえ理解できれば、社会の変化に敏感になって、大きな失敗に追い込まれる前に何らかの手を打つような行動ができるようになるのではないかと思います。 p142
アクションプラン:
「逆演算」と「仮想演習」を用いて失敗に備える