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アウトプット日記

読んだ本、文献、作業療法に関する勉強会・研修会のまとめ。個人的な。

『動きが心をつくる―身体心理学への招待』

動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)

動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)

平成25年7月11日 読了 77分

 

まとめ:

 身体心理学。

 「こころとからだ」の結びつき。

 心があって行動が生じるのではなく、行動があって心が生じる。

 

目次:

はじめに

第1章 心が生まれる前

第2章 心の誕生

第3章 動き、体、心

第4章 心が先か、動きが先か

第5章 動きから心へ

第6章 レスペラント反応と生理・心理との関係

第7章 新しい人間の全体像

第8章 人間の根源の様相

第9章 からだ言葉

第10章 エンボディド・マインド

第11章 生活を豊かにする心身統一ワーク

おわりに

 

キーワード:

重要なことは、はじめに動きがあり、その後に中枢である脳が生じてきたということである。別の言い方をすると、心が脳にあるとするならば、心があって行動が生じたのではなく、行動があって、心が生じてきたのだということである。 p21

 

進化の過程で見ていくと、動物は大脳によって、環境に働きかけて適応したのではなく、環境が動物に働きかけて行動を引き起こし、適応してきたのである。そして適応した結果、その行動を保存して、次に同じ事態が生じたとき、能率よく対応するために、記憶の器官である大脳を発達させてきたのである。つまり環境に対応する行動(動き)が大脳を発達させてきたのだといえる。このことから「始めに動きありき」で、その動きから心が発生したのだと考えることができる。 p33

 

人間の場合、動きは心との関係で分類されることがある。すなわち「意志的」であるか、「無意志的」であるか、あるいは、「意識的」であるか、「無意識的」であるかである。

スキナーの分類。動物には二種類の行動があるとした。

1.「レスポンデント反応(respondent response)」

動物から人間まで共通に見られる反応。生得的で、反射的な反応であり、「生理的反応」といわれるものである。この反応は環境からの刺激によって誘発されるものであり、受動的であって、意志的ではない反応である。しかし生体の生命維持にとって欠かせない反応である。

2.「オペラント反応(operant response)」

動物でも人間でも、行動する主体が環境に働きかける反応である。人間では「意志的反応」という。しかしレスポンデント反応のように環境刺激によって誘発され、生得的に反応パターンが決められているものではなく、行動する主体が状況に応じて自発的に行う柔軟な反応である。 p45

 

動作や体動と称している反応には、両方の反応ができるものがある。したがって、このような性質を持った反応は、レスポンデント反応やオペラント反応と区別して分類する必要がある。ここではそれを「レスペラント(resperant)反応」と称することにする。 p72

 

レスペラント反応の種類 p73

1.「呼吸反応」

2.「筋反応」

3.「表情」

4.「発声」

5.「姿勢反応」

6.「歩行反応」

7.「対人距離反応」

8.「対人接触反応」

 

反射/意志的反応(レスペラント反応)と、心と体の関係はトライアングルの関係にある p82

 

表情反応と心理との関係 p108

T・ストラックらが行った実験

被験者に前歯でペンを噛んでもらう。こうすると口角が横に広がるが、この顔面反応は笑顔のときのものとほぼ同じものとなる。比較のために被験者にペンを唇で押さえてくわえてもらった。このようにして漫画を見てもらったところ、前歯でペンを噛んだ被験者のほうが、唇でくわえた被験者よりもより面白さを感じるという結果が出た。つまり笑顔のときになる口角が横上に広がるという顔面反応が快感情を起こしたということである。

 

姿勢が知覚に及ぼす効果 p122

菅村玄二・高瀬弘樹らは、姿勢と大脳の前頭葉との関係をNIRSで調べた。被験者に直立の姿勢やうつむきの姿勢をしてもらい、「さ」と「み」の発音で始まる名詞をなるべくたくさん言ってもらうという知的作業をさせた。そしてそのときの前頭葉のオキシヘモグロビンの変化量を調べ、それぞれの姿勢をとってもらう以前と姿勢をとったときとの間の変化量を比較した。その結果、直立姿勢のときは前頭葉は活性化したが、うつむき姿勢のときは活性化しなかった。うつ状態の人は知的作業をするとき、前頭葉の活動が不活発であるという研究もあることから、うつむく姿勢はうつ気分と関係があり、さらに知的活動も低下することが大脳の活動を通じて理解できたといえる。

 

脳性麻痺の子どもの訓練法として動作法を開発した成瀬悟策(『姿勢のふしぎ―しなやかな体と心が健康をつくる講談社ブルーバックス、1998年』)は、立てなかった子どもが訓練の結果、立てるようになると、人格の変革も起こると繰り返し述べている。直立姿勢は人間性の根底である。 p125

 

成人においては身体接触は回避されるものであるがゆえに、逆にこの壁を破って身体接触をすることは、人間の絆の中核に迫る行為であるため、精神的に劇的な効果をもたらすことがある。身体接触を仕事にしている、理学療法士、看護師、介護士などの職業人は、この観点を持つならば、その仕事の意義が深まるに違いない。 p152

 

レスペラント反応と気感の相即 p170

1.呼吸反応 興奮ー沈静

2.筋反応 緊張ー弛緩

3.表情 快ー不快

4.発声 開放ー閉鎖

5.姿勢 覚醒ーまどろみ

6.歩行 活発ー不活発

7.対人空間 親密性ー疎遠

8.対人接触 安心ー不安

 

アクションプラン:

姿勢を正しく

 

 

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