『部下のやる気を2倍にする法』
部下のやる気を2倍にする法 できる上司のモチベーション・マネジメント
- 作者: 和田秀樹,大塚寿,奈須正裕,植木理恵
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/02/20
- メディア: 単行本
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平成25年6月15日 読了 65分
まとめ:
心理学をビジネスに応用する。
「法則」「原理」「技術」の、いわば三位一体によるやる気のメカニズムを構造的に理解することによって、どんな事態にも柔軟かつ適切に対応できる真に豊かなモチベーション・マネジメントを体得できる。
目次:
まえがき
序章 マネジメントの限界
第1章 法則Ⅰ 希望の法則―やる気のメカニズム
原理(1)頑張れば上手くいく
原理(2)十分にやれそうだ
原理(3)何をどうすればいいかわかる
第2章 法則Ⅱ 充実の法則―自己実現と組織の目標
原理(4)おもしろい、確実に成長している
原理(5)自分で決めたことだから頑張る
原理(6)期待されている
第3章 法則Ⅲ 関係の法則―チーム・マネジメント
原理(7)安心できる
原理(8)関心を持たれている
原理(9)一体感がある
終章 こころのマネジメント
あとがき
キーワード:
マネジメントとは、「メンバーを通して目標を実現するために、メンバーのやる気と能力を引き出しながら、計画、実行、フィードバックを繰り返す一連の活動」 p21
やる気には、三つの「上手くやれそうだ」が重要となる。すなわち、「頑張ればうまくいく」と思え、そのために必要な「頑張り」とは「何をどうすればいいのか」がよくわかっており、さらにそれを「十分にやれそうだ」と実感できることが大切。これらが揃った時、人は精いっぱいの努力へと向かうことができる。 p32
到達目標設定の基本は、「少し努力したり工夫したりすれば、なんとか手の届く高さ」であり、具体的には、メンバーの約70~80%が達成可能な水準が一つの目安になる。 p55
言葉を使って直接的に教えるよりも、リーダーが適切な行動をして「見せる」ほうが数倍も効果的な場合があるという。心理学ではそういった現象を「モデリング」とか「観察学習」と呼んでいる。 p77
事務的な仕事であれ、大切な顧客との取引であれ、無意識的にそれを行わせるのではなく、自らの法略や戦略に自覚的になり、どうすればもっと改善されるか、常にメタ認知を使って考えさせることが重要だ。 p85
「人はパンのみにて生くるにあらず」と言われるように、人間は外的なインセンティブだけを求めて、それをよりどころや規準として行動しているわけではない。精神的な充実、内的な満足というもう一つのインセンティブ、行動の規準がある。それどころか、外的なものよりも内的なインセンティブのほうが優先されて、より強いやる気を引き出す場合も少なくない。 p90
リーダーがなすべきことは、まず自分自身と部下のあいだの目標の「質」のかけ違いについて知ること、つぎに部下に対して「Being目標」と「Become目標」の両方を常に意識させること、そして最後に「Become目標」達成の延長線上に「Being目標」の達成が待っているということを日常的なビジネス・シーンで提示し続けることだ。 p108
「期待されるから、できるようになる」「期待されないから、できなくなる」という人間の深層心理の一面も、リーダーであるあなたは決して見逃してはならない。このような上司の「期待」によって生み出される効用のことを、心理学では「ピグマリオン効果」と呼んでいる。 p138
いちばん大切なのは「この人といっしょに仕事をすれば大丈夫だ」という安心感を与えることだ。この安心感が、そこで仕事をしたいという動機を高めるだけでなく、安心して仕事ができる雰囲気をつくるのだ。 p157
コフートは、この褒める母親の役割を「鏡機能」(正確には鏡自己対象機能)と呼び、褒められることで人間に生まれる動機の根源の心の部分を「野心の極」と名付けた。コフートの考えでユニークとされる点は、彼は、幼児期の育ち方で一生が決まるという考え方には固執せず(つまり、子どものころに「野心の極」がしっかり育っていれば、その後も一生頑張る人間でいられるという考え方をせずに)、人間は一生「鏡対象」を求めるという考え方をしたことだ。つまり、人間は常に褒めてくれる対象を求め、褒められることで、さらに頑張れるというわけだ。 p186
アクションプラン:
内的インセンティブを得られる環境をつくる